「なんとなく肌がムズムズする」「赤みやヒリつきが気になる」「メイクのりが急に悪くなった」――季節の変わり目になると、そんな違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。

気温や湿度の変化に加えて、紫外線量が増えるなど、環境の変化が重なるこの時期は、いつもより肌の調子に変化を感じやすくなることも。そこで今回は、“季節の変わり目に起こりやすい肌トラブル”について、医師の視点をもとに紐解いていきます。

  • 鏡の前で洗顔する男性

    ※画像はイメージです

みんなが抱える“肌に関するお悩み”とは?

マイナビニュースのアンケートによると、普段のスキンケアやメイクにおいて、約7割の人が“肌に関するお悩み”を抱えているということが分かりました。

  • 普段のスキンケアやメイクにおいて、「肌に関する悩み」を抱えている人は約7割にのぼる

肌に関するお悩みとして、最も回答数が多かったのは「肌のかゆみ・ヒリつき」で26.5%。次いで、「赤み・肌荒れ」が13.9%、「メイクが崩れやすい」が12.6%、「マスクが触れる部分の肌トラブル」が10.3%という結果になりました。

肌悩みはありつつも、ケアを意識していない人も

続いて、「普段のメイクやスキンケアで意識していること」を聞いたところ、最も多い回答は「特に意識していない」で35.8%でした。約7割の人が“肌に関するお悩み”を抱えている一方で、日常的なケアとして明確な対策をしていない人も一定数存在することがうかがえます。

  • 普段のスキンケアでは「しっかり保湿する」ことを意識している人が35.4%で最多

次いで僅差で、「しっかり保湿する」(35.4%)が続きました。保湿は日々のケアとして取り入れやすいことから、実践している人も多いようです。

さらに「肌をこすらないようにする」(24.5%)、「低刺激・敏感肌向けのアイテムを選ぶ」(20.9%)など、肌をいたわる行動も多く挙がりました。

専門家に聞く“季節の変わり目に起こりやすい肌トラブルの原因”とは

今回のアンケートでは、多くの人が肌に関するお悩みを抱えているにもかかわらず、「普段のメイクやスキンケアで意識していること」を聞くと、最も多かったのは“特に意識していない”という声でした。

一方で、季節の変わり目は「かゆみやヒリつき」「赤み」「メイクのりの悪さ」など、日常で起こりやすい肌トラブルが一気に表れやすい時期でもあります。

こうした“季節特有の肌不調”は、実際にどんなメカニズムで引き起こされているのでしょうか? ここからは、季節の変わり目に気をつけたい肌トラブルについて、専門医の先生にお話を伺います。

松澤 宗範(マツザワ ムネノリ)先生

アウラニクリニック 統括院長

―季節の変わり目には、肌の調子が不安定になることがあります。これは医学的な視点から見ると、どのような理由があるのでしょうか?

松澤先生:季節の変わり目は、肌にとって負担となる環境変化がいくつも重なります。

まず、気温や湿度が大きく変動することで自律神経が乱れ、肌のターンオーバーが滞りやすくなります。さらに、冬の乾燥でバリア機能が低下している肌に、春先から強まる紫外線が降り注ぐことで、ダメージを受けやすい状態になります。

加えて、新生活など、生活環境の変化によるストレスもホルモンバランスに影響し、肌荒れの引き金になることもあります。

―さまざまな要因が重なって、肌の不調につながるのですね。
では、春先になると気になる“花粉”も、肌トラブルの原因になることはあるのでしょうか?

松澤先生:スギ花粉などのアレルゲンが直接肌に付着すると、アレルギー反応が起こることがあり、これを「花粉皮膚炎」と呼びます。花粉が肌に侵入すると、免疫反応によって炎症物質が放出され、かゆみや赤み、ヒリつきが生じます。

また、花粉症の症状によって起こる間接的な肌トラブルにも注意が必要です。たとえば、頻繁に鼻をかむことで鼻周りの角質層がこすれて乾燥しやすくなったり、目のかゆみから無意識に目をこすってしまい、炎症や色素沈着につながることがあります。

―こうした花粉による肌トラブルを防ぐためには、どのような対策が有効なのでしょうか?

松澤先生:これらの肌トラブルを防ぐうえで最も大切なのは、「花粉を肌に触れさせないこと」と「付着した花粉を早めに落とすこと」です。

外出時はマスクやメガネを活用し、できるだけ肌の露出を少なくしてください。ベースメイクをしっかり行い、仕上げにフェイスパウダーで肌表面をサラサラに保つことも、花粉の付着を防ぐ有効な方法です。

また、帰宅後は玄関先で衣類についた花粉を軽く払ってから家に入り、すぐに洗顔をして、肌についた花粉を洗い流すことを習慣にしましょう。

―花粉の影響などで肌が敏感になっている時期には、スキンケアでどのような点に気を付ければよいのでしょうか?

松澤先生:肌が敏感になっている時期のスキンケアで大切なのは、「摩擦を極力なくすこと」と「低下したバリア機能を補うこと」の2点です。

まず、洗顔はたっぷりの泡をクッションにして、こすらずに優しく洗いましょう。すすぎには、肌の乾燥を招かない32〜34度程度のぬるま湯を使うのがおすすめです。

保湿には、肌本来の細胞間脂質であるセラミドや、ヒアルロン酸などを含むアイテムが有効です。逆に、エタノール(アルコール)や強い香料、ピーリング成分などを含む製品は刺激になりやすいため、この時期は使用を避けたほうがよいでしょう。

また、化粧水などを塗る際も、コットンの摩擦が刺激になることがあります。清潔な手のひらで、肌を押さえるように優しくなじませてください。

―花粉対策やスキンケアを見直しても良くならず不安なときは、どのタイミングで医療機関を受診すべきでしょうか? 目安となる症状があれば教えてください。

松澤先生:これらのセルフケアを徹底しても、「強いかゆみで眠れない」「赤みや腫れ、ブツブツが出ている」「普段のスキンケアを塗るだけでしみる」といった状態が数日続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。これは、肌の防波堤であるバリア機能が破綻しているサインであり、医療用の抗炎症薬などによる根本的な治療が必要です。

季節の変わり目は肌がゆらぎやすい時期ですが、ちょっとした工夫で負担が軽くなることもあります。今日からできるセルフケアで、肌をやさしく整えていきましょう。

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