いすゞ自動車の「117クーペ」といえば、国産旧車で不動の人気を誇る殿堂入りクラスの名車だ。クラシックカーの祭典「ノスタルジック2デイズ」(N2d)でもおなじみのモデルだが、今年はどんな個体に出会えるのか。「いすゞスポーツ」のブースを訪ねてみた。
完璧な仕上がりの初期ハンドメイドモデル
N2dでは「海外で人気のある(あるいは、人気の高まりそうな)日本車」を探して会場を歩き回り、これまでにトヨタ自動車「2000GT」やマツダ「サバンナRX-7」などを取り上げてきた。次に向かったのは「いすゞスポーツ」だ。
ブースのセンターには、まるで新車同様の輝きを見せるシルバーの個体が鎮座していた。 昭和45年(1970年)式117クーペのハンドメイドモデルだ。
プレートには「ボディ仕上げ、エンジンOH、ハーネス新規作成、内装制作&リフレッシュ、可能な箇所を全てメンテナンス・OHなど、約4年前より昨年まで、数年かけて作業」の注釈とともに、「本車両は非売となります」と書かれている。
担当者によると、「デザインの源流はジュジャーロ(日本的にはジウジアーロ)で、コレクタブルとしての物語性が強く、さらに、日本にだけあって現地にはない“純ジャパニーズ”としての独自性があり、海外のコレクターにも注目されている可能性はある」とのことだった。
とはいえ、このハンドメイドの個体のようにすばらしい仕上げのものは、「作る→仕上げる→良い状態で納める→信頼と楽しみを伴って戻ってくる→次の整備・提案につなげる」という長期循環で価値を高めるモデル」であり、長期循環が品質・効率・顧客の信頼を生むとともに、再販や継続整備にもつながるので、「できることなら国内に留まっていてほしい」のだという。
ちなみに、初期ハンドメイドモデルはプレミアム性が最も高いため、1,000万円超の値が付く個体が多く、フルレストアの水準を上げると、さらに上振れ(3,000万円程度まで)するそうだ。
117クーペは玉石混交状態
隣に置いてあったブルーの丸目量産型は、良質個体で片手(500万円)が目安とのこと。フルレストアを目指すなら、価格は例外的に上がってしまう。維持のしやすさや部品の調達性を考えるなら、もう1台のオレンジボディのような後期の角目モデルがおすすめだという。
“外”で整備されてきたものは統一基準で作業された個体が少なく、いすゞスポーツへの入庫車両のうち、ノータッチで顧客に渡せる水準の車両は5~10%程度と玉石混交状態なのだとか。修復では、初期是正~納車後の不具合潰しを経て、6~12カ月で安定状態に落ち着くというのが117クーペだ。



















