連続テレビ小説『あんぱん』のスピンオフとなるオーディオドラマ『さいごのうた』が、NHK-FMにて1月3日(22:00~22:50)に放送される。Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が演じる作曲家・いせたくやが主人公の本作で、たくやの妻となる橿原薫を三浦透子が演じている。制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーにインタビューし、三浦の起用理由は現場での裏話などを聞いた。

いずみたくが手掛けた「じゃがいものうた」を歌う橿原薫役

三浦透子

三浦透子

『あんぱん』は漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、朝田のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)が『アンパンマン』にたどり着くまでを描いた物語(NHK ONEで総集編が配信中)。『さいごのうた』では、たくやの晩年を描く。日本のミュージカルでアメリカ公演を成功させるという夢を叶えるも、嵩とのアンパンマンミュージカルの作曲中、突然倒れてしまうたくや。「もう仕事はできない」と告げられ絶望していたある日、看病する妻・薫から「嵩さんから」と一通の手紙を渡される。そこには、ミュージカルの新しい歌詞が書かれてあり、たくやは嵩とのある約束を胸に、最後の力を振り絞ってメロディーを紡ぐ。

三浦演じる薫は、アメリカ公演メンバーのオーディションでたくやと出会い、後に、たくやの妻となるという役どころ。『あんぱん』本編には登場してなかった新キャラクターだ。

倉崎氏は三浦について、演技力に加え、歌唱力も起用理由の大きな一つだったと説明する。

「薫は歌うシーンがあり、『じゃがいものうた』を歌うのですが、実際にいずみたくさんが運転手時代に作った曲というのも事実で、このエピソードを生かしたいと思っている中で、けっこう歌うのが難しいので、歌への素養がある人がいいなと。しかも『グランドエスケープ feat. 三浦透子』という曲で、(『あんぱん』の主題歌を担当した)RADWIMPSさんとコラボされていて、そういうご縁もあって三浦さんがピッタリなのではとオファーさせていただきました」

三浦の声は「聴き心地がとてもいい」 真摯な姿勢にも感銘

収録では、三浦の声の美しさを改めて感じたそうで、「聴き心地がとてもいいんです」と絶賛。さらに、三浦の真摯な姿勢にも感銘を受けたという。

「三浦さん側から言ってくださって、リハーサルの前日に演出と一緒に役柄に関して擦り合わせをしてくださったんです。『あんぱん』本編に出演してなかったからこそ、『あんぱん』の世界観を守りたいということで、ちゃんと準備した上で挑んでくださって。収録当日の我々とのコミュニケーションも丁寧かつ的確で、シーンの意図などをしっかり捉えてくれますし、すぐ軌道修正できる素晴らしい役者だなと思いました」

また、薫について「最初は歌が下手で一生懸命練習してうまくなっていくんです」と説明し、その変化も見事に表現してくれたと倉崎氏は称える。

「無理に下手にすると悪目立ちしてしまいますが、本当にナチュラルに、下手というより緊張して声が上ずってしまうという感じで。その表現って難しいと思いますが、すごく上手に演じてくださいました」

さらに、「50分のオーディオドラマの中だけでも月日が流れるわけですが、三浦さんはそれぞれのシーンの塩梅をうまく調整してくださって、リスナーの皆さんにすごく自然に聴いていただけるようになったと思います」と語っていた。

(C)NHK