今年10月には29歳の誕生日を迎えた。舞台にドラマ、映画と幅広く活躍する古川だが、2025年は「模索の年」だったという。
「『何かが足りない、それはなんだろう』とずっと探していた時期であるように感じていました。霧の中にいたような感じがして……。今年、おみくじを引いたんですが、そこには『今、あなたはもやの中だけど、努力を続けなさい、鍛錬を続けなさい』という言葉が書かれていたんです。その言葉が、その時の自分にはぴったりで『あ、今、私ってこういう状況なんだ』と気づいて。だから、この28歳という年は“修業期間”でした」
だが、28歳の1年を経て、今はそんな“もや”からは脱しつつあるとも実感している。
「これからの29歳の1年に、まだ情報が公開されていない仕事がたくさんあって、その一つひとつの仕事が全部、チャレンジな作品なんです。だから、一つひとつ着実にやっていかなきゃいけないなっていう思いがあって。それが見えてきてから、もやが晴れていったんです。自分が何に向けて頑張るべきか、今は何が必要なのか、何を準備すべきなのか……それが分かった1年でした」
今年は、9月に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説『あんぱん』で主人公・柳井のぶ(今田美桜)の茶道の弟子・中尾星子役も演じて、話題を集めた。
「私が演じた中尾星子という役のモデルになった方は、やなせたかしさん、のぶのモデルになった小松暢さんと実際に関わって、その意思を継ぐ方だったんですよね。『あんぱん』はフィクションではあるけれど、やなせさんと暢さんの思いをリアルタイムで受け取っているようなドラマだったと思うんです。私も自分の役を通して『こうやって物語って受け継がれていくものなんだな』と知ることができました」
そんな古川に、最後にこれからの目標を聞いてみると、「もう1回、がむしゃらにやってみようと思っています」と力強く語る。
「もう失敗するものとして、いろいろな人ともっとコミュニケーションを取って、もっといろんな世界を知っていこう、という気持ちです。失敗は怖いですし、怒られたくないので(笑)、これまでは『この人にこれを言ったら怒られるかな』と躊躇することもあったんですけど、そういうことにも全部チャレンジして、それぞれの現場で100パーセント向き合っていきたい。その胆力が30歳前についたら30代はもっと飛躍できると思うので、その力を養っていきたいなと思います」
1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年にデビュー。短編映画『春』(18)で第20回TAMA NEW WAVEベスト女優賞を受賞。第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した映画『偶然と想像』(21)の第一話で主演を務める。近年の主な出演作は、映画『みなに幸あれ』(24)、『言えない秘密』(24)、大河ドラマ『どうする家康』(23/NHK)、ドラマ『海のはじまり』(24/フジテレビ)、連続テレビ小説『あんぱん』(25/NHK)、舞台『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』(24)など。映画『ほどなく、お別れです』が2026年2月6日公開予定、『花緑青が明ける日に』が2026年3月6日公開予定。
ヘアメイク:伏屋陽子(ESPER) スタイリスト:山本杏那



