数々の賞を受賞し、略称『ふてほど』が「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれた2024年1月期のTBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。来年1月4日にはスペシャルドラマ『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』(21:00~)が放送される。磯山晶プロデューサーに本作に込めた思いや撮影の裏話などを聞いた。

  • 『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』場面写真

    『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』場面写真

連ドラの“その後”を描くSPドラマ タイムトンネルで好きな時代に

『ふてほど』は、昭和のおじさん・小川市郎(阿部サダヲ)が1986年から令和の時代へタイムスリップし、令和では“不適切”なコンプライアンス度外視の発言を炸裂させ、コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていくタイムスリップコメディ。脚本は宮藤官九郎氏。

連続ドラマのその後を描くスペシャルドラマでは、タイムトンネルで好きな時代に行けるようになった市郎が、娘・純子(河合優実)の未来を変えるため再び立ち上がり、令和だけでなく、さらなる未来にも過去にもタイムスリップし、行く先々で人々をかき回していく。江口のりこ演じる都議会議員・平じゅん子も登場。歯に衣着せぬコメントで国民に支持されていく平は、国政に進出し、日本初の女性総理が誕生するのかしないのか、その瀬戸際で、ある事件が勃発する。

磯山氏は、スペシャルドラマのストーリーについて「連ドラの最後で井上(小野武彦)さんが好きな時代に行けるタイムトンネルを発見した!と言って終わっているので、どこの時代にでも行ける話にしようとなって、そうなったら気軽に未来にも行けるねと。それで日本の未来では女性総理が誕生しているよねという話になり、誕生するにあたって、昨今のキャンセルカルチャーというか、何か事件が勃発すると総理の立場すらも危うくなり、そこに市郎が一枚噛むような騒動がいいねという話になりました」と説明する。

今年10月に高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に選出され日本初の女性総理が誕生。現実世界ととてもマッチしたドラマとなっているが、磯山氏は「いつもより撮影時期と放送時期の間が空いていて、普通であれば高市総理誕生よりも早く出せたのにという悔しさがちょっとあります」と笑った。

「服だけで違う年の市郎を表現」 8人の市郎が一緒に踊るシーンも

今回、いろんな時代の市郎が登場するため、阿部は100回以上衣装チェンジを行ったという。

「連ドラが終わるところから運命の日と言われるところまで8年なので、そんなに変わらないよねという話になって、顔は一切変えていませんが、服だけで違う年の市郎を表現しています。一度にいっぱい出てくるというシーンがたくさんあって、とにかく阿部さんが大変だったという印象です」

そして、阿部は100回以上の着替えを楽しみながら撮影に臨んでいたと、現場の様子を明かす。

「衣装さんとメイクさんと、何秒で着替えられるかをチャレンジしていました。8人の市郎が一緒に踊るミュージカルもあって、1人ミュージカルなんですけど8人分なので。最後の方は笑っちゃうというか、ちょっとハイになっている感じで。本当に阿部さんの苦労が報われるといいなと思います」

今回の市郎は連ドラ時よりも責任感が増しているそうで、そんな人物に仕上げた阿部に磯山氏は感謝している。

「小川市郎がタイムトンネルを使って自由に行き来することによって、いろんな問題が勃発したり、解決したりするので、前よりもっと責任感を持っていて、言いっぱなしの無責任なおじさんというより、なんとかしなきゃという気持ちを背負ってやってくれているなと。こういう人が身近にいたらいいのになと、お正月から思えるようなキャラクターにしてくださってありがとうございますと思っています」

真面目な話をみんなでできるきっかけになれば

また、「真面目な話、しちゃダメですか?」というテーマに込めた思いも語る。

「日本人は真面目な議論を避けたがるというか、芯を食った論争は今後の人間関係に影響してしまうのではないかと思って自分の意見を抑えがちなところがあるので、そういうことをもっと言っていこうよと。真面目な話をみんなでした方がもっと良いアイデアが浮かぶかもという提案です」

そして、視聴者に向けて「連ドラのときにおかげさまですごく反響をいただいて、職場や学校で世代の違う人たちといろんなことを話し合うことができたと言っていただいたのがすごくうれしかったです」と感謝し、「今回も、自分たちの世代の常識は他の世代では非常識みたいなところとか、日本が外交や経済などいろんな問題で岐路に立っていると思いますが、みんなで話し合ったらいいじゃんみたいな、明るい気持ちで自分の国の未来や将来について話せるきっかけになったらいいなと思っています」とメッセージを送った。

(C)TBS