舞台などで活躍し順調に俳優としてのキャリアを積み上げている林翔太。来年1月から上演される歌手・笠置シヅ子の半生を描く舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』では花森英介役を演じる。これまで数々の舞台を経験し、「きつい現場を乗り越えて『もう何が来ても大丈夫』と思えるようになった」と語る林に、舞台への意気込みや役者業への思いなど話を聞いた。
『わが歌ブギウギ』は「東京ブギウギ」などのヒット曲で“ブギの女王”と謳われ、戦後の日本で絶大に支持された歌手・笠置シヅ子の波乱万丈の人生を描いた作品で、1987年にNHKでドラマ放送され、過去数回にわたって舞台化された。令和初上演となる本作『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』では、シヅ子をキムラ緑子が演じ、周囲に反対されながらもシヅ子と大恋愛をする花森興業の御曹司・花森英介を林が演じる。齋藤雅文氏が演出を担当。2026年1月2日~20日に東京・三越劇場、1月24日~2月1日に京都・南座で上演される。
林は本作への出演が決まり、「みんなが知っている題材ですし、緑子さんが主演でいらっしゃって『本当に僕でいいんだろうか』と思いました」と率直な心境を吐露するが、一方で楽しみも口にする。
「プレッシャーはありますが、緑子さんと久々に共演させていただけることや、(服部良一役の)松村雄基さんともご一緒できることがすごく楽しみでした。あと、僕がまだ芝居を始めたばかりぐらいの頃、齋藤さんが演出で入っていらした舞台に出させてもらったことがあるんです。だから久しぶりに会える喜びと、何年も経っているので『成長した自分を見せなきゃな』というプレッシャーもありました」
演じる花森は、花森興業の御曹司で、シヅ子と大恋愛をするという役。林は、時代は違っても現代の人々にも共感できる部分があると語る。
「格差がある恋だけど、そこを乗り越えて一緒になる。現代も乗り越えなきゃいけないものってたくさんあるので、今の時代の人たちが観ても共感できる部分があるんじゃないかな、と。戦後のお話なので、そういう空気感も出せればいいなと思っています。若い人たちにも伝わるようなエネルギーのある作品にしたいし、自分の役もエネルギッシュでひとクセある面白い役にできたらいいなと思います」
過去にも共演経験がある緑子との恋人役で、「怖さもありつつ、全く知らないわけでもないですし、がっつり遠慮なくいけるんじゃないかなと思います」と意気込みを語る。前回の共演時からさまざまな先輩俳優と芝居を重ねてきた経験も自信になっており、「緑子さんがびっくりするようなアプローチの仕方とかもできたらいいな、なんて思っています」と声を弾ませる。
本作をはじめ、数々の舞台で活躍する林。これまでの俳優人生を振り返ってみると、厳しい演出家のもとでの経験が糧になっているという。
「(『陰陽師 生成り姫』の)鈴木裕美さん、(『キオスク』の)石丸さち子さんという、僕からすれば“二大巨頭”のような熱すぎる演出家のおふたりに見てもらったことがあって。さち子さんの時は、ボコボコにされて(笑)。台詞量もえぐくて、一度も舞台袖にはけられない、という作品だったんです。稽古中はすごくきつかったですけど、それがあったおかげで“芝居の心”のようなものを教えてもらえた。裕美さんもそうですし、今までの演出家のみなさんの指導のおかげで、いろいろな引き出しが増えたと思います」
かつては稽古場が「すっごい嫌い」だったと苦笑いで打ち明ける。だが、数々の厳しい現場を乗り越えてきたことで、最近はそれすらも「楽しめるようになってきた」と変化を語る。
「スタッフさんや共演者の方たちに前から見られるので、稽古場が本当に苦手だったんですけど、最近は楽しめるようになりました。前に緑子さんと初めて共演させてもらった時なんか、すごい人たちがいっぱい出演していて『嫌だな』と思いながらやっていたんですが、ようやく楽しめるようになってきましたね。きつい現場を乗り越えて『もう何が来ても大丈夫だ』と思えるようになったんです」


