俳優の黒木華が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、30日(通常と異なり13:40~ ※関東ローカル)に放送される「私が片づけたいもの~ひろこばぁちゃんと心のお片づけ~」。全国から依頼が寄せられる“お片付け”のプロ「ひろこばぁちゃん」こと大川浩子さん(64)を追った作品だ。

物だけでなく、心まで整理してくれる浩子さんの姿から、黒木は片付けの概念が変わったという――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した黒木華

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した黒木華

依頼者の「理想の生き方」まで照らし出す

依頼を受ければキャンピングカーを自ら運転し、時には車中泊をしながら日本各地を走り続ける大川さん。年間走行距離は5万km、地球一周を超えるほどだ。

彼女の“お片付け”は、単なる整理整頓にとどまらない。依頼者と荷物を仕分けていくうちに、会話は自然と心の話へと移り、しまい込んでいた思いや悩みが静かに姿を見せる。

番組に登場するのは、母の価値観に従って育ち、自分で服を選ぶ機会がほとんどなかった女性。手に取る服がどれも“ときめかない”理由は、選ぶ喜びを知らないまま大人になってしまったからだった。また琴奏者である女性も、楽譜の山に囲まれながら揺れていた。「もっと自分を発揮できる場所が欲しい」このまま続けるべきか、やめるべきか…。

大川さんは片付けをしながら、依頼者の言葉に静かに耳を傾ける。「どう生きたいのか」「どんな自分でいたいのか」…物を残すか捨てるかを問いながら、いつの間にか“心の仕分け”へと変わっていく。部屋の乱れを整えるだけではなく、依頼者の「理想の生き方」までそっと照らし出すのが、ひろこばぁちゃん流だ。

  • 全国を駆け回る大川浩子さん (C)フジテレビ

    全国を駆け回る大川浩子さん (C)フジテレビ

「すごく良いお仕事をされているなと思いました」

大川さんが依頼者に寄り添う姿勢に、「すごく良いお仕事をされているなと思いました。片付けるだけではなくて、お話しすることで整理されていくこともきっとあるでしょうし、心の整頓をしてくださるような感じが素敵だなと思いました」と、片付けの概念が変わる印象を受けたという黒木。

心にモヤモヤを抱えた依頼者たちが、片付けを通して変化していく姿を見て、「自分のしたいことが何か見えるように導いてあげているのが、すごいですよね」と驚かされた。

自身の代表作の一つであるドラマ『凪のお暇』(19年、TBS系)では、部屋に何もないアパートで人生をリセットして再出発する主人公・凪を演じた。それを踏まえて、今回のドキュメンタリーに接し、「片付けというのは、ただ物を整理したり捨てたりするだけのことではないのだと感じました。それによって見えてくる未来や、自分の置かれている状況もクリアになるんですよね」と、改めて気付かされたという。

それは、日常の小さな整理整頓からも実感。「やっぱり散らかっているとソワソワしてしまいますし、片付けた場所で探していたものが見つかったりすると、心が整うと思うんです。それによって、気持ちに余裕が生まれる気がします」と思い返した。

片付けを依頼することは、プライベートな空間へ受け入れることにもなる。大川さんにそれを許せてしまうのは、「フラットな方だからだと思います。ご自身で“おせっかい”とおっしゃっていましたが、押し付けるのではなく、思わず話したくなるような人柄なのだと思いました」と分析。

その背景には、夫に浮気されながら子どもを育てるだけでなく、親の介護や会社経営までこなしてきた大川さん自身の壮絶な人生経験があると受け止め、「相当なポテンシャルがないとできないことだと思います」と捉えると同時に、「これまでのお片付けでもいろんな方にお会いしてきたと思うので、その人生との関わり方も聞いてみたいですね」と興味を抱いた。