
世界の大谷はWBCに出場できるのか――。それは韓国でも国民的関心事なのかもしれない。
野球日本代表・侍ジャパンは15日から韓国代表との強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ」(東京ドーム)に臨む。14日に行われた公式会見では両代表の監督らが出席し、韓国メディアから井端監督にド直球の質問がぶつけられた。
意を決したように韓国代表の番記者は「WBCでドジャースの大谷、山本、佐々木が出場するのかどうかは、全世界の野球ファンが注目している。ドジャースは3人の出場に消極的とも話しているが、この点に関して何か話はしていないか」と質問。井端監督は「日本側がざわつくのでアレですけど…」と慎重に言葉を選びながら「頑張ってます!」と力を込めた。
ファンの興味関心を代弁するのがメディアの仕事でもある。会見に出席した韓国主要テレビ局の記者は、母国メディアが投げかけた質問の意図について「私たちもとても気になっているからです。3人の出場可否は重要なことだが、報道で出ている話ではドジャースは消極的だと。それで井端監督自身は彼らに聞いたことはあるのか気になっていたからです」と説明。
その上で「井端監督は視察のためにKBOの試合によく来られるんですが、その時は質問を受け付けない。だから、こういう席でなければ聞く機会がない」と続けた。
メジャー組の選手供出は一筋縄にはいかない。ゆえに出場を望む侍陣営としてもナーバスにならざるを得ない事案だ。「韓国の記者は率直に事実を投げかけたが、あの場では日本の記者たちは少し距離を置いているのを感じました」と〝温度差〟にも理解を示した。
韓国メディアが核心に踏み込んだのは、母国で注目度の高い話題だからだ。大谷、山本、佐々木の参戦が実現すれば、韓国としては厳しい戦いとなるが、同記者は「きつくなるのは当たり前」と肩をすくめつつ「昨春のMLBソウルシリーズでは韓国のファンが大谷を一目見ようと高額チケットが飛ぶように売れた。彼が私たちの敵だからというわけではなく、野球を愛する人なら誰でも彼に会いたい。大谷がWBCに出場すれば、もう勝ち負けは関係ない。多くのファンが観戦を望むはずです」と目を輝かせた。
大谷に出てほしい――。ド直球質問には切実な思いが垣間見えた。
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