
ジャパニーズ・ビッグ3が文字通りの「セイバー(救世主)」となった。米スポーツ専門局「ESPN」は番組「Sports Center」内の特集「インサイド・ストーリー」で、ワールドシリーズ連覇を果たしたドジャースの舞台裏をクローズアップし徹底検証。大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(24)の日本人トリオがデーブ・ロバーツ監督(53)を〝解任危機〟から救ったと舞台裏を報じ、大きな話題を呼んでいる。
地獄から昇天したということか。ロバーツ監督はレギュラーシーズン終盤からトライネンやスコットら信頼を失ったリリーフ陣を相次いで起用し続け、米メディアが一時「采配迷走」と酷評。ファンの間でも「契約を残していても今オフ解任は避けられない」との声が強まっていた。だがポストシーズンで光を放ち、指揮官の窮地を救ったのが大谷ら日本勢だった。
特にワールドシリーズでは、指揮官がリスク覚悟の采配を連発。第7戦では大谷をわずか中3日で強行先発させ、山本を第6戦から中0日でリリーフ投入。結果的にこの〝賭け〟が的中し、2年連続の世界一をもたらした。ESPNは「もしこのギャンブルが失敗していれば、ロバーツは世論の圧力で辞任に追い込まれた可能性が高い」と指摘した。
さらに、敗れていれば、来年3月開催の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で「日本の侍ジャパンにとっても、深刻なダメージが与えられる危険性もあった」と同局は推論を立てている。同番組では「酷使と世界一連覇失敗のダブルショックによって大谷と山本のWBC派遣が白紙となり、日本国内からも〝国賊扱い〟の批判が巻き起こっただろう」と分析。実際、ドジャース内部ではロバーツ監督が2029年までの契約を残しながら辞任に追い込まれた場合の「保険」として今季限りで引退したクレイトン・カーショー投手(37)の監督就任という仰天構想まで水面下で浮上していたという。
だが結果は、3人の日本人投手がチームを支え、ロバーツ監督を「名将」へと押し上げた。ESPNは「救世主は東洋から来た」との表現で称賛。「大谷の存在がクラブハウスの空気を変え、ワールドシリーズMVPをつかんだ山本と、そして終盤で本領を発揮するようになった佐々木も投手陣に安定を与えた」と評価した。
かつて批判の的だった指揮官は今、ロサンゼルスの街で英雄扱い。ロバーツ体制は奇跡的に延命し、来季は前人未到の3連覇を狙う。救世主たちの陰に、ドジャース復活の物語が息づいている。
そしてロバーツ監督にとって、この連覇は同局いわく「自らのキャリアを救った勝利」でもあった。現地では、その名を球団史に刻む一方で裏では「3人の日本人スターがいなければ、ロバーツのキャリアは終わっていた」との声も出ている。
大谷の二刀流復活を支えた慎重な調整方針に加え、山本の球数制限を見極めた継投判断、そして佐々木のメジャー初となったポストシーズン登板での快投――。それぞれに指揮官の決断が問われたが、結果的に3人の輝きがロバーツ監督の評価を覆した。
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