Career Cafe Connect(キャリアコネクト)は10月24日、CAREER MARK(ノヴィータ)と共同で実施した「共働き時代の駐在」の実態に関する調査結果を発表した。調査は2025年6月16日~7月14日、駐在員とそのパートナーなど約30ヵ国・計563名を対象にインターネットで行われた。

駐在に同行したパートナーのうち7割が同行のため離職

駐在に同行したパートナーのうち7割が同行のため離職したことがわかった。同じく駐在に同行したパートナーの7割以上が同行前は正社員(フルタイムまたは時短)として就労経験あり。6割超がこれまでの最高年収「400万~800万円未満」と回答している。

離職した理由として回答者の5割が、勤務先に「パートナーの海外転勤に伴う休職制度がない」ことを選択した。

  • 駐在同行をきっかけに離職したか?/駐在同行前の就労形態

    駐在同行をきっかけに離職したか?/駐在同行前の就労形態

駐在同行パートナーの不安と悩み

キャリアに関わる不安要素として、約74%が「就労再開」を選択した。次いで「社会との繋がりが失われること」や「キャリア断絶」が約60%を占めた。具体的な声として「年齢とキャリアブランクにより自分の市場価値が下がること」や、「収入や社会とのつながりを失ったことに伴う家庭内のパワーバランスの変化」に言及するコメントが多数寄せられた。

  • 自身のキャリアなどについてどのような不安や悩みを感じたか?

    自身のキャリアなどについてどのような不安や悩みを感じたか?

駐在員6割がパートナーのキャリアで葛藤も

駐在の意思決定にあたり、家族を帯同している駐在員の6割が「パートナーのキャリアについて悩み、話し合いをした」と回答した。具体的な理由としては、パートナーの再就職の難しさや昇格、世帯年収などが挙げられた。

  • 駐在の意思決定にあたり、パートナーのキャリアについて悩んだり、話し合いをしたか?/駐在の意思決定にあたり、パートナーのキャリアはどの程度影響したか?

    駐在の意思決定にあたり、パートナーのキャリアについて悩んだり、話し合いをしたか?/駐在の意思決定にあたり、パートナーのキャリアはどの程度影響したか?

パートナーのキャリア理由で駐在断念も

「パートナーのキャリアを理由に駐在を断った・もしくは転職した」という事例も複数みられた。「女性部下が海外赴任を希望していたが、帯同される男性パートナーのキャリア断絶の可能性を考慮し断念」(マレーシア・50代前半)、「知人は家族帯同を希望していたが、奥さんが希望の仕事に就いたところだったので駐在を断念した」(ブラジル・40代前半)、「パートナーのイギリス駐在が決まったため、私が退職しパートナーの駐在先で現地採用の形で仕事を見つけ別の会社へ転職した」(中国・30代前半)、「語学堪能で、海外担当として国内でも働いている同僚が、奥さんが仕事を辞めることによる生涯世帯収入の減少を考えて、駐在を断り続けている」(中国・40代前半)といった回答が寄せられている。