ウェブメディア「不登校オンライン」は、2025年10月30日、「不登校と親の仕事」に関する実態調査を発表した。

同調査は2025年2月17日~3月22日不登校の子どもがいる親438名を対象にインターネットで実施した。

  • 「不登校と親の仕事」に関する実態調査

    「不登校と親の仕事」に関する実態調査

2025年10月29日に文部科学省が公表した資料(※)によると、2024年度に不登校だった小中学生は35万3,970人と、過去最多を記録している。 ※令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

調査の結果、約60%の親が「退職・転職・就業」または「働き方の変更」を経験しており、最も多かったのは「現職を続けながら、勤務時間やシフトを柔軟に調整した」ケースだった。

「働き方を変えた」と答えた人(32.9%)の多くは、柔軟な遅刻・早退(18.6%)、時短勤務(14.7%)、シフト変更(14.1%)、在宅勤務(9.0%)といった調整を実施。

柔軟な働き方に切り替えた保護者のうち、53%が「結果的に良かった」と回答。一方で、収入減(34%)やキャリアの停滞(26%)といった課題も浮き彫りになった。

勤務先への相談は「しやすかった」との回答が70%を超え、柔軟な対応が子どもや家庭の安定に寄与したことが分かった。

一方で、「働き方を変えたくても変えられなかった」「収入の減少が家計を圧迫した」という声もあり、制度はあっても“運用の壁”が残る現状が浮かび上がった。

退職(17.8%)を選択した人は「子どものケアを優先」「両立の負担が限界」などが主因。約半数が「良かった」と評価している。

また転職(4.6%)を選択した人は勤務時間の柔軟さや職場の理解を重視し、再就職を果たしたケースが多い。

専業からの就業(4.6%)を選択した人は、親自身の居場所づくりや社会との再接続を目的に再就職する例が目立ち、65%が「良かった」と回答。不登校は親のキャリアを一時的に揺らす一方で、「家族の再設計」を促す契機にもなっている。