京王電鉄は27日、新型通勤車両2000系のプレス向け取材会を実施した。「日本一安全でサービスの良い持続可能な交通」の実現に向け、同社初という大型フリースペース「ひだまりスペース」を設置した車両となる。2026年1月31日から京王線内で営業運転を開始する。
新型車両2000系は10両固定編成とされ、総合車両製作所が製造を担当した。「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。全ての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」というコンセプトを掲げ、幅広い世代の利用者や多様な社員の声から得られたニーズを分析。人の感性を分析できるAIサービス(京王グループの感性AIが提供)も用い、コンセプトに最も合う外観デザイン・内装を採用したという。
今回お披露目された編成は、1号車から「2751」「2251」「2201」「2651」「2551」「2101」「2501」「2051」「2001」「2701」の10両編成。外観は車体前面・側面ともに円をモチーフとしたラウンド型とすることにより、多くの人が優しさを感じ、安心できる車両を表現。丸みを帯びた先頭形状や丸目のライトなど、とくに車体前面において優しさ・かわいらしさを感じさせるデザインとなっている。
内装も外観と同様、ラウンド型をモチーフとしており、心を落ち着かせるナチュラルな空間を演出。シートにもドット柄を取り入れている。ドア付近の吊り手は5個増設したとのことで、より多くの乗客が吊り手を利用できるようにしたほか、バリアフリー対応として車いすスペースを各車両に1カ所設置。開いているドアをチャイム音で知らせる装置も設けた。
大型フリースペース「ひだまりスペース」は、京王線の主要な駅で車両乗降時にエレベーターから近いという5号車に設置。子育て世代からシニア世代まで、年齢や性別、目的を問わず、あらゆる人が安全・快適に鉄道を利用できることをめざしたという。
座席を廃止して車いす・ベビーカー利用者が使いやすいエリアとし、こどもたちが夢中になれるような大型窓も採用。手すりも設け、小さい子でも手すりにつかまって車窓の景色を見られるように配慮した。一般座席部と調和するような配色とし、車内の動線や機能性を考慮して波型の衝立を設けたことも「ひだまりスペース」の特徴となっている。
車内環境の向上も図り、「ナノイーX」方式の空気清浄機を各車両に2台搭載。安全かつ安心して利用できる車両をめざし、リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラを各車両に4台設置する。トラブル発生時、乗客が乗務員らへ速やかに通報できる車内非常通話装置の双方向対話式化も推進するという。車両の代替新造により、全車両の通路が貫通した車両を導入することで、車両併結時における非貫通車両の解消も図る。
低損失のパワーデバイスであるフルSiC素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置を導入して環境性能をさらに高め、消費電力の削減と車両の軽量化を図る。京王電鉄は2012年に全営業車両でVVVF化を完了しており、VVVF未装備車と比べて大幅な省エネ性能向上を実現していたが、新型のVVVFインバータ制御装置を搭載した2000系は、そこからさらに約20%削減。VVVF未装備車と比べて約70%の省エネ性能向上を実現しているとのことだった。
その他、車両機器をつねに監視できる車両情報管理装置も採用。車両に不具合が発生した際の早期対応に加え、蓄積したデータを予防保全に活用することで、さらなる安全性・安定性の向上とともに鉄道オペレーションの高度化・効率化を図るとしている。












