――藤木さんが、「似ている」とコメントされていたのはご存じですか?

知りませんでした。でも聞いて納得です。

倉科カナの原動力は?

――礼子さんは飛鳥と藤堂を見守る存在ですが、ふたりのパワーの原動力にもつながっています。倉科さん自身の原動力を挙げるなら?

なんだろう。家族もそうだし、にゃんこもそうですけど。やっぱりお芝居が好きで、その作品、その役柄に携われてよかったと思えたときがすごく幸せで、そういった経験を「またしたい!」と思うことが次への原動力になっている気がします。あとは、見てくれたみなさまが楽しんでくれたときに「うれしいな」と思うのも原動力になりますね。

――「悔しさ」が次への原動力につながることもありますか?

たしかにそれもちょこっとはあるかもしれません。「今度こそは」みたいな。でもそういったマイナスから発生する力よりは、幸せな感情から生まれる原動力のほうが大きいです。たとえばドラマや映画、舞台でも、その作品と最初に出会う脚本って、頭で読みますよね。それだと自分ひとりの中で完結している。

――そうですね。

でも、現場や稽古場に行くと、演出家さんの意図や共演者さんの投げてくるものが自分の想定外だったりする。そうしたとき、自分の役柄を背負いながら返していくと、脚本以上の新たなものが生まれるんです。頭で考えたものではなくて、心が動いたからこそ生まれたもの、心と心が触れ合った瞬間に生まれたもの。そこに私はすごく“ときめき”を感じていて、それを何度も経験してきたので、また味わいたいというか、また「わー!」と花が咲く瞬間に出会いたいと思うんです。

――お客さんに届いたとき、さらに新たな花が咲く感じでしょうか。

そうです。もう最高ですね。それはどんな花でもいい。そこに価値があると思うし、私の原動力になっています。

倉科カナが語る『MISS KING』の見どころ

――ありがとうございます。最後に礼子さんを演じた倉科さん的、『MISS KING / ミス・キング』のおススメポイントを聞かせてください。

私としては、かっこよくて、ちょっとオトコマエな礼子も見てほしいですね。どこかやさぐれている飛鳥と藤堂が、礼子の言うことは聞くんですよ。

――彼らが立ち上がっていくのも、礼子さんがいたからこそですよね。

ふたりだけだったら、闇落ちしてるかもしれない(笑)。そこを礼子も礼子で葛藤しつつ、強く存在して、ふたりの感情を尊重しながら支えていく。彼らの物語はもちろんですが、そうした礼子の姿もちょっとしたポイントなので、ぜひ注目していただけたら嬉しいです。

■プロフィール
倉科カナ
1987年12月23日生まれ、熊本県出身。2009年にNHK連続テレビ小説『ウェルかめ』にてヒロインを務め、一躍脚光を浴びる。以降、ドラマ、映画、舞台と活躍。2022年には第29回読売演劇大賞女優賞を受賞した。主な出演作にドラマ『正直不動産』(NHK)シリーズ、映画『3月のライオン』前後編(17)、『あいあい傘』(18)、『三日月とネコ』(24)など。現在はドラマ『コーチ』(テレ東)が放送中。2026年にはドラマ『浮浪雲』(NHKBS)の放送と舞台『プレゼント・ラフター』への出演を控えている。