現在放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で雨清水三之丞役を演じている板垣李光人にインタビュー。「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」というキャッチコピーが付けられている本作の魅力や、最近の“うらめしい”エピソード、さらに、俳優として大事にしている考えを語ってもらった。
113作目の朝ドラとなる『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツと、夫のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。小泉セツがモデルのヒロイン・松野トキを高石あかり(高ははしごだか)、小泉八雲がモデルのレフカダ・ヘブンをトミー・バストウが演じ、脚本はふじきみつ彦氏が手掛けている。
板垣が演じる三之丞は、雨清水傅(堤真一)&タエ(北川景子)夫婦の三男。17日に放送された第15回では、傅が病で亡くなった。その直前に三之丞は、トキが傅とタエの実の子であると言い、「手放した分、愛おしくなるのなら、だったら私もよそで育ちたかったです」と両親に思いをぶつけるシーンが描かれた。
板垣は本作に魅力について、「いろんな出来事があって、うれしいことも、悲しいことも起こりますが、それを全部包んでくれるような温かさがあるなと。それがこの作品の最大の魅力かなと思います」と紹介。
「その温かさが、今から学校や会社に行くとか、どこかちょっとしんどいところに向かう人たちをも包んでくれるような、そういう空気があるのがすごく好きで、コピーにもある『この世はうらめしい』という、怖いのは人なんだというような気持ちも、そう思ってもいいんだよと思わせてくれるような空気が好きです」と語った。
最近うらめしいと思ったエピソードも披露。「最近撮影で森に行くことが多くて、虫が多いんです。僕は虫が苦手なので、『うわ~うらめしいな』と思っていましたが、3日ぐらいしてくると慣れてきて、小さめのゴキブリとか全然かわいいなと思うようになりました」と述べ、「うらめしいなと思っているものほど、意外と慣れるとそうなるんです」と笑った。
また、ドラマや映画などの作品作りについて、「自分1人で作るものではなく、いろんな部署の人たちが、それぞれプロフェッショナルとしてこういう風に作りたい、こういう風に表現したいというものがある中で、それをみんなうまく総合芸術として1つにできたらいいなと思っています」と自身の考えを説明。
「自分もこのセリフが感情として言いにくいということがあったときに、それを監督に伝えはしますが、監督や脚本の意図を汲み取りながら、お互いがいいところで納得できるものを作りたい。僕は絵を描いたりするので、完全に1人で作品を作ることをしている中で、そこの差ですよね。ドラマ・映画は多くの人たちが関わる総合芸術なんだという意識は大事にしています」と語っていた。
2002年1月28日生まれ。2012年に俳優デビュー。映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』(すべて2024)で第48回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。カンテレ・フジテレビ系ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(2025)でゴールデン帯連続ドラマ初主演。2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』で朝ドラ初出演。映画『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日公開予定のほか、映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』が12月5日公開。2024年に自身初となる個展を開催するなど、アートの分野でも才能を発揮しており、初めてとなる絵本『ボクのいろ』を11月6日に発売予定。
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