TBS金曜ドラマ枠初主演となる波瑠と、TBSドラマ初主演の川栄李奈がW主演を務める『フェイクマミー』(毎週金曜22:00~)が10月10日にスタートする。2020年に放送されたドラマ『#リモラブ~普通の恋は邪道~』以来、久しぶりの共演となる2人が、互いへの信頼感や自身と重なる役柄への思い、新しい家族の形を通して、現代社会に伝えたいことなどを語り合った。

  • 『フェイクマミー』花村薫役の波瑠(左)と日高茉海恵役の川栄李奈

    『フェイクマミー』花村薫役の波瑠(左)と日高茉海恵役の川栄李奈

本作は、正反対の人生を歩んできた2人の女性が、“母親なりすまし”という禁断の契約を結ぶことからはじまるウソとトラブルだらけのファミリークライム・エンターテインメント。波瑠が演じるのは、東大卒のエリートで、大手企業で順調にキャリアを築いていたものの訳あって退職し、転職活動に苦戦する花村薫。川栄は元ヤンでベンチャー企業「RAINBOWLAB」の社長を務めるシングルマザー・日高茉海恵に扮する。

撮影が始まって約1カ月が経過しているが波瑠が「まだ会うのは今日で4回目ぐらい。ソロパートを各々やっていて」と現状を説明すると、川栄も「本当にまだ、がっつり芝居をご一緒するシーンがそれほどなくて。だからこそ今後がすごく楽しみです」とこれからの共演シーンに期待を寄せた。

久しぶりの共演となる波瑠について、川栄は「波瑠さんは、もういるだけで安心感があります。お芝居もそうですけど、前回共演させていただいた時も、何かを積極的に言うタイプの方ではなくて、背中で見せてくれて引っ張ってくれるので、ついていけば大丈夫だと思える方です」と絶大な信頼を寄せる。その言葉に、波瑠は「何もしてないです」と照れ笑いを浮かべつつ、「でも頑張らなければと奮い立たせられるような気持ちになりますね」とW主演という形で共に作品を背負うことへの決意を語る。

茉海恵の娘・いろはを演じる子役・池村碧彩は物語の鍵を握る重要な役柄だ。波瑠は「本当に『あぁ可愛らしいな』って純粋に思える部分と、頭が上がらないなっていうぐらい大人な振る舞いを見せてくれる時もあって。あくびを噛み殺すんですよ。大人がやるような姿を見せながらも、話しかけるとそのまんま無邪気な女の子でいてくれる。それが逆に完璧というか。撮影中もその可愛らしさに救われています」と、その存在に助けられていると語る。

川栄もまた「しゃべっていると、子役というか子供ということを忘れてしまうぐらい、本当にしっかりしているんです。でも子供っぽい可愛さもあったり。そういう部分も見習わなきゃなって思いますし、碧彩ちゃんが『この現場すごく楽しい』と思ってもらえるように頑張ろうって気合が入ります」と、1人の役者としてリスペクトを向けていた。

今後、(本橋さゆり役の)田中みな実や(黒木竜馬役の)向井康二といった個性豊かな共演者たちが一堂に会するシーンも増えていく。波瑠が明かした田中との意外な「おすすめのラーメン屋さん」の話や、川栄が語る向井のムードメーカーぶりなど、和やかな現場の雰囲気が、作品にさらなる深みを与えてくれそうだ。

自身と重なる役柄への共感とリアルな葛藤

薫と茉海恵という両極端な役を演じる波瑠と川栄。それぞれが演じる役柄に、自身の姿を重ね合わせている。波瑠は、薫の持つ心情に深く共感していると言い、「自分が頑張っているからこそ、周りの人にもそれを理解してほしくて、できれば同じぐらい頑張ってほしくてっていう……理想の高さをちょっとだけ押し付けるような形になってしまう気持ちは、少しだけ私も分かる部分があって。がむしゃらに頑張る分、そうでもない温度感で向き合っている人を見た時に、少しだけ悲しくなるというか、傷つく自分がいるなって思った時に『あ、薫と多分一緒だな』と感じます」と分析する。

さらに波瑠は、「私自身が、まだ母になるという選択をせずに生きている部分でも同じなので、生き方に悩んだり、これでいいのかって思ったりする部分は近いものかなと思います」と薫が抱える悩みは他人事ではないと続ける。

一方、2児の母である川栄は自身が演じる茉海恵について「役が自分と似ていると感じることがとても多い」と語ると、「子供の年齢も一緒で、ちょうど幼稚園の年長さんの代なので。すごく役作りしなきゃ、みたいなことはあまりなく、結構自然体で茉海恵を演じることができているのかなと思っています」と共通点の多さを明かす。

働く母親が直面する現実的な葛藤についても、川栄は「子供が熱を出したら迎えに行かなければいけない。それで職場の人に迷惑をかけて自分の中で罪悪感みたいなものが生まれるなんてことは、よくあると思います。でも働いて、子育てをするという決断をしたからにはしょうがないこと。葛藤みたいなものも抱えながらも『ニセママ契約』を結んで割り切る。その部分に対しても私は『いいじゃん』と思うタイプなので、そこは茉海恵とは共通している部分かなと思いました」と、自身の経験と重ね合わせながら役に深く感情移入していた。