フジテレビは、視聴者から寄せられた身近な社会課題を取材し、取材の過程も含めて放送・配信する調査報道プロジェクト『スポットライト』をスタートする。第1弾は、ニュース番組『Live News イット!』で29日に放送し、以降、毎週月曜日の同時間に定期的に放送。その他の報道番組でも展開し、YouTubeでも配信する。

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第1弾は、警察の集中捜査を受けながら、水面下で活動を広げる“トクリュウ(匿名流動型犯罪グループ)”の実態を調査取材。捜査逃れに悪用されているITツールを独自に撮影し、女性をターゲットにした悪質スカウトが、なぜなくならないのか、その背景に迫る。

10月6日放送の第2弾では、子供たちの間で急増するナッツアレルギーについて取り上げる。少量でも発症しやすく、近くで他人がナッツを食べているだけでも重い症状が出るケースがあることから、国際線の旅客機などでの対応も問われているという。そうした子供たちやケアする親が直面している問題にフォーカスし、取り囲む社会にどんな課題があるのかを丁寧に取材する。

『スポットライト』では、LINE公式アカウントや特設ホームページの投稿フォームにより、視聴者・ユーザーから“調べて欲しい”という疑問を募集。その中で、社会課題に通じる問題について、報道局の総力を挙げて取材する。取材結果は各ニュース番組内で放送していくほか、インターネットニュースサイト『FNNプライムオンライン』や、YouTubeの報道チャンネルで発信していく。また、提案があった課題について、専門記者の解説動画も投稿し、その問題が解決するまで取り上げ続けることを目指すという。

フジテレビ報道局調査報道統括チームの勝又隆幸氏は「『スポットライト』は、7月にフジテレビ報道局に新しくできた“調査報道統括チーム”が、報道局全体で調査報道を目指していくための旗印として立ち上げたプロジェクトです。普段はスポットライトが当たらない人や、取り上げられない問題にもスポットライトを当てて、社会問題として取り組んで行く、という決意をプロジェクト名にしました。SNSやネットメディアなど、情報ソースが多様化する中、テレビ報道に求められる使命とは何なのか、原点を問い直し“ユーザーの声を受け、自分たちで調べる”報道を突き詰めていこうと考えました。視聴者の皆さまの声を大事に、社会の役に立つ報道を心がけていきますので、ぜひともご覧いただき、忌憚(きたん)の無いご意見をいただきたいと思います」とコメントしている。

【編集部MEMO】
フジテレビ報道局は、7月の組織改編で「調査報道統括チーム」を新設。「フジテレビ報道、FNNのブランディングとして“課題解決のための調査報道”を重視し、これまでのニュースの価値基準や記者・ディレクターの評価基準を見直す。発生や情勢を追うことに重きを置き過ぎず、報道に携わる全員が、自らの視点と価値観に基づいて“腰を据えた取材”が可能となるよう報道局全体の方向付けを行う」としている。ほかにも、「災害対策チーム」と「職場環境向上チーム」が新設された。

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