ワイヤレス通信規格と聞いて連想するのは、Wi-Fi、Bluetooth、UWB...携帯電話用セルラー通信規格を含めると、さらに多くの規格が存在します。そしてiPhone 17シリーズでの採用で注目を集めた「Thread」も、そのひとつです。
Thread(スレッド)は、低消費電力・低遅延の2.4GHz帯を利用した通信規格です。Google傘下のNest Labsのほか、Apple、Amazon、NXPといった企業が主導し、IoT(Internet of Things)/スマートホーム製品をターゲットとした低消費電力のワイヤレス通信規格として整備されました。スマートホーム接続規格「Matter」にも採用され、幅広い分野での普及が見込まれています。
Threadの特長は、通信に用いるデバイスそれぞれが中継器の役割を果たし網目のようにつながる「メッシュネットワーク」の構造にあります。ネットワークを構成する機器の一部が故障しても、他の機器がバックアップする仕組みを備えているため、通信システムとして堅牢かつ安定して動作します。
もうひとつの特長には、インターネットと同じIPアドレスを用いた通信を行うことが挙げられます。Threadに採用された6LoWPAN(IPv6 over Low-power Wireless Personal Area Networks)は、有線/無線LANやインターネットにそのまま接続でき、クラウドへの直接アクセスやAES暗号化を利用することも可能です。
省電力設計も特長といえます。Threadはバッテリー駆動のIoTデバイスでも利用しやすいよう消費電力を抑えた設計が施され、ネットワークを構成するデバイスは長時間にわたりスリープ状態を保つことが可能です。
スマートフォンがThreadに対応すると、外出先から直接自宅のIoT/スマートホーム機器へのアクセスが容易になります。Threadの普及とともに、ますますスマートフォンの役割が増えることは確かでしょう。
