大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で松平定信役を演じている井上祐貴がコメントを寄せた。

  • 松平定信役の井上祐貴

    松平定信役の井上祐貴

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛けている。

9月21日放送の第36回では、松平定信(井上祐貴)の政策に追い詰められた恋川春町(岡山天音)が自害。少年時代から春町の黄表紙が好きだった定信は、春町の切腹の知らせを受け、ひとり慟哭するという展開が描かれた。

井上のコメントは以下の通り。

――恋川春町の切腹を知った定信の気持ち

どこかにぶつけないと収まらないような感情になったからこそ、あのような行動に移ったのかなと思います。定信にとっての恋川春町、その黄表紙というのは、自分の世界を広げてくれた存在。そんな大切な存在を自分の政策によって命まで絶たせてしまった。定信からすると、とても複雑で、僕には想像もできないようなことがたくさん頭の中を駆け巡ったシーンなのかなと思いました。

――定信の葛藤について

本当は、好きなものを取り締まるというのは、不本意だと思うので、でも今の政(まつりごと)を見たときに、やっぱり質素倹約を掲げないとうまくいかないだろうという定信の中で考えがまとまったから、好きな黄表紙とかそういうものを制圧しながらも、ちゃんと自分が正しいと思ったことを貫くっていう、良くも悪くもすごく太い芯の通った人間だと思っています。特に寛政の改革の時期は、定信は葛藤を常に持っているんだろうなと思って演じています。

(C)NHK