不器用でまっすぐな高校教師と読み書きの苦手なホストが出会い、学びを通して本当の愛を知っていくフジテレビ系ドラマ『愛の、がっこう。』(毎週木曜22:00~ ※FODでこれまでの全話配信)。『白い巨塔』(03~04年)や『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(14年)などを手がけてきた脚本の井上由美子氏と演出の西谷弘氏が、再びタッグを組んでいることでも話題だ。
互いの演出と脚本に対し、「他の人とは作れないキャラクターができます」「小説を読むかのように向き合います」と強い信頼を持って臨んでいる2人に、今作のこだわりや思いを聞いた――。
純愛から最も遠く、本気の恋愛に戸惑う存在
高校教師とホストが恋に落ちるという設定だけを見れば、センセーショナルなテーマを扱った激しい恋愛ドラマのように思えるが、実はまっすぐ過ぎるがゆえに過去に過ちを犯してしまった女性と、複雑な家庭環境から読み書きが苦手でホストという職に就かざるを得なかった青年の機微を丁寧に描いた、純愛とも言えるラブストーリーに仕上がっている。
その企画の始まりを聞いてみると、西谷氏は「一昨年くらい前に企画していたドラマが難航してしまったので、新たな企画を井上さんに相談したのがきっかけです。今回の『愛の、がっこう。』がそうなるわけではないのですが、その時は、最後は別れるけども、愛ある別れ…そういうものをやりたいなどの話をしました」と明かす。
ホストを題材としたことについて、井上氏は「もう一回ゼロから考えようと思ったときに、“こんな話はどうですか?”と西谷さんにペライチで提示したのが『愛の、がっこう。』でした。ホストと言えば、純愛から最も遠いイメージの存在だし、ホストを好きになる女性も共感されないでしょう。でも、商売で女性を相手にしているホストだから、本気の恋に戸惑うこともあると思ったんです。これまでの人生が全然重ならない2人が愛し合うということの良さを描きたいなと、いい年してピュアに思いました(笑)」と回想した。
初回冒頭で海へ飛び込む踏み切りに注目
木村文乃が演じるまっすぐ過ぎる高校教師の愛実と、ラウールが演じる奔放でありながら陰のあるホストのカヲル。井上氏が語る“重ならない2人”は、キャラクター的にもビジュアル的にも正反対で“お似合いではない”はずなのだが、回を追うごとにどうしても2人を応援し、見守りたくなってしまう、そんなカップリングが実に絶妙だ。
演じる2人の印象を聞いてみると、西谷氏は「木村さんもラウールさんも今回が初めてなのですが、2人とも抜群の身体能力ですね。木村さんは初回の冒頭で海へ飛び込むシーンがあるのですが、1回目のテストからすごく良くて、その後インターバルを置いて本番でも一発OKでした。どちらのカットもコマ送りをして見ると、埠頭の端の同じ位置にギリギリで踏み切って飛び込んでいるんです。改めてご覧になると気付けるかもしれないですね(笑)」と振り返る。
続けてラウールについては、「最初は芝居の話じゃなくてプライベートや生き方について話しました。すごく感情の深い人です。でも、その深さをあえて感じさせずに、アーティストとしてのスタンスでいるのかなと思いました。だから彼にはストレートな感情表現だったり、本心とは裏腹な表情だったり、リハーサルを積んで本番に臨みました」と寄り添った。

