28日に放送された連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の第109回で、本作の脚本を手掛ける中園ミホ氏をモデルとした少女・中里佳保が登場した。中園氏にインタビューし、佳保というキャラクターに込めた思いを聞いた。

  • 中園ミホ氏をモデルとした中里佳保役の永瀬ゆずな

    中園ミホ氏をモデルとした少女・中里佳保役の永瀬ゆずな

嵩のファン・中里佳保役はのぶの幼少期を演じた永瀬ゆずな

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田(柳井)のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じている。

中園氏は、10歳で父親を亡くした時にやなせさんの詩集『愛する歌』に救われ、ファンレターを書いたことがきっかけで、やなせさんと文通をしていたという過去を持つ。実際にやなせさんと会ったこともあり、その思い出をもとに、嵩のファンである少女・中里佳保を登場させた。佳保を演じたのは、のぶの幼少期を演じた永瀬ゆずなだ。

祖父と共に嵩の家を訪れた佳保は、「家があんまりボロだから固まっていただけ」「この程度なら私にも書けるかもって思ってうれしくなった」などと失礼な発言を繰り返すも、大好きな嵩の詩をすらすら口に出して嵩を感動させる。さらに、アンパンマンのもとになった“あんぱんを配るおじさん”の絵を見て「カッコ悪いけどなんか好き」と言って嵩を喜ばせ、「めげずに描きなよ」とエールを送った。

自身がモデルだからこそ「思いっきり“クソガキ”に」

中園氏は、自身の思い出をもとにしているものの、佳保の言動について「さすがにあそこまで失礼ではなかった」と笑う。

「実在する方がモデルの場合、悪く書いたらいけないと気を遣うところもあるんです。家族の方が見たらどう感じられるのかなとか。ただ、私はクセの強いキャラクターを書くことが好きなので、一度思いっきり生意気な子を書きたいなと思っていて、自分がモデルだったら構わないだろうと、思いっきり“クソガキ”にしてみたら、書いていてすごく気持ちよかったです。10歳の私だったら、こんなボロいところに住んでいるんだと思うだろうなと、口にしないと思いますが、ドラマの中では思ったことを全部言わせてみました」

佳保のキャラはドラマとして中園氏が膨らませて書いたものだが、やなせさんの詩が1人の少女を救ったというのは事実そのもの。それをしっかりと反映させ、嵩にとってとても重要なシーンに仕上げた。

中園氏は「どんなに生意気な子でも嵩の詩に救われているという私自身の史実を外したらいけないと思い、そこだけはデフォルメしないで書きました」と言い、「変な子にした方が、そういう子にもやなせさんの言葉が届く」と思って強烈なキャラにしたとも話していた。

(C)NHK