――13年やられてきて、芸能人の方で特にこの番組を支えてくれると感じるのは、どなたになりますか?

皆さんには本当にお世話になっていますが、まずはやっぱり梅沢(富美男)さんを挙げさせてください。裏でもいろいろお話させてもらって、「今『プレバト!!』ってこう見られてるんじゃないか」とか、人生の大先輩ならではの感想をくれるんです。あと梅沢さんは夏井先生の7歳上ですが、自分は教わる側だという姿勢を徹底しています。芸能界を代表する大御所があんなに頑張ってくれて、ダメ出しされたら悔しがって、褒められたら嬉しがる。他の芸能人の皆さんへの影響は絶大だと思います。

――いつくもの素晴らしいアート作品を目の当たりにしてきたと思いますが、特に衝撃を受けたのは何ですか?

本当に多くの作品に感服しているのでどれか一つという挙げ方はできないんですけど、人生で初めてアートで心を鷲づかみにされたっていう経験をしたのは光宗(薫)さんが描いた東京タワーの水彩画でした。一筆一筆に魂がこもっているのがわかって、光宗さんそのものが憑依している感じがしたんです。ずっと絶対王者として君臨している光宗さんの作品にはいつも驚かされています。『プレバト才能アリ展』で、実物を見た方も感じたと思いますが、最近の色鉛筆で描いたオムライスには優しさも漂っていています。こういう作風の変化を見られるのも、番組が長く続いているからですよね。

あとは辻元(舞)さんの浜田さんの還暦を祝うパラパラ漫画もすごいし、ナイツ土屋(伸之)さんのスニーカーショップを描いた水彩画はずっと見ていたいし。ハラミちゃんの黒板アートも、山下(リオ)さんの大漁旗に描かれた“しらすの龍”もすごく印象に残っています。

  • 光宗薫作品 (C)MBS

  • 辻元舞作品

  • ナイツ土屋伸之作品

  • ハラミちゃん作品

  • 山下リオ作品

  • (C)MBS

――そうした芸能人の皆さんはどのようにキャスティングされているのでしょうか。

キャスティングチームが片っ端から聞いています。アート系は、そのジャンルが得意だという話を聞いたら、地上波の出演歴などはあまり気にせずにオファーしていきます。『プレバト!!』の視聴者は、上手な作品が見られることを期待して見てくれているから、本人が直筆の手紙で逆オファーを送ってきた久保田(裕之)さんもすぐに出演しましたし。

普通の番組なら3時間スペシャルをやる時、ドラマや映画の番宣ゲストにも出演オファーをするじゃないですか。でも、『プレバト!!』は番組で才能を開花させた人たちが出た方が豪華に見える。水彩画で、光宗さん、辻元さん、(田中)道子さん、(レイザーラモン)HGさん、くっきー!さん、松田悟志さんが一同に対決するのが、視聴者も一番見たいんです。俳句も梅沢さんをはじめ、名人、特待生が集結していることにスケール感を感じてくれている気がしますね。

俳句は、名門大学出身だから良い俳句が作れるわけでもないし、本を書いたことがあるから得意なわけでもないので、実際にやってもらわないと分からないんです。お笑いコンビの方で、ネタを作ってる人のほうが上手いかというと、そうじゃない時もあるから本当に分からない。ご本人が自分の俳句の才能に気づいてるわけがないから、とにかく誰でもオファーしていく感じですね。

――その未知数で想定外なところも、俳句の才能ランキングの醍醐味ですよね。

俳句のタイトル戦は、本当に常に波乱が起きちゃうんです。名人や特待生じゃないオープン参加の方が何度も優勝してきました。季語と関係のない12音が、季語と予想外の化学反応を起こしたら、梅沢さんにも勝てる俳句が作れちゃうので、波乱が起きるんです。

――では、500回記念の3時間スペシャルの見どころをお願いします。

500回記念の水彩画コンクールということで、名人や特待生たちが中島健人さんや新木優子さんら豪華モデルの人物画に挑みます。「もし上手に描けなかったらファンの皆さんに怒られそうじゃないですか」って、皆さんブータレてました(笑)。でも、みんなそっくりに描けているので期待してください!

●水野雅之
1977年生まれ、愛知県出身。慶應義塾大学卒業後、2000年に毎日放送入社。営業局で6年勤務した後、大阪本社の制作に異動。2年後に東京支社の制作に異動し、『チェック!ザ・No.1』『地球感動配達人 走れ!ポストマン』をへて、『イチハチ』で初の総合演出となり、浜田雅功と初仕事。その後、『林先生が驚く初耳学!』『教えてもらう前と後』などを企画・演出・プロデュース。現在は『プレバト!!』総合演出のほか、新木優子の公式YouTube・TikTokなど地上波テレビにとどまらないコンテンツ制作を手がける。