誰袖が心から愛するも、佐野政言(矢本悠馬)に斬られて息絶えた田沼意知役の宮沢氷魚とは『映画 賭ケグルイ』(19)でも共演しており、再共演となった。
「当時は、あまり話せないまま撮影が終わってしまいましたが、今回はがっつりお話をさせていただきました。すごく優しくて穏やかな方だったので、初めから緊張せずに向き合えました。時代劇をやったことがなかったので、お芝居や役柄についていろいろと話しあいながら収録できたことがすごくありがたかったです」
誰袖にとって意知はどんな存在だったのだろうか。その解釈も明かした。
「誰袖は、今まで苦しいことが本当にたくさんあったと思いますが、その中でどうにか生きていかなくちゃともがいてきたのではないかと思います。意知さんのように優しく包み込んでくださる人に出会えたことで、自分も幸せになれるかも、幸せになっていいんだと思いながら過ごしていたと思います」
2人が交流していく中で、特に印象に残っているのは、意知が誰袖に膝枕をしてもらうシーンだという。
「あのシーンは、初めて意知さんの思いというか、愛情みたいなものが伝わってきて、すごく幸せなシーンでした。演じる側も、意知さんと誰袖との幸せな時間を本当に素敵なものにしたいと思いながら収録していました」
意知の死後、絶望の淵に立たされ、自らの命をも絶とうとするも思いとどまった誰袖。政言は切腹するが、誰袖の怒りはおさまらず、恨みをはらすべくわら人形を使って政言とその家族を呪おうとする。
「自分も意知さんのところに行かなくちゃと思いつつ、行けないという悔しさもすごくありました。どうにかして意知さんのそばにいたいという思いで、わら人形を突き刺して呪っていたのかと。演じていて本当に苦しかったですし。本当にボロボロになっていましたし、自分の殻に閉じこもっていた気がします」
第29回では、意知を亡くし、失意のどん底にいた誰袖のために仇討ちをすべく、蔦重が手掛けた黄表紙「江戸生艶気樺焼」によって笑顔を取り戻すという展開が描かれた。
「それまでは意知の死を受け入れられないままずっと過ごしていました。でも、蔦重が助けてくれたことで、少しずつ光が見えてきて、少し前に進んでもいいのかもと、ようやく思えてくるんです」
振袖新造のかをり時代から慕っていた蔦重について、福原は「いつもそばにいてくれるお兄ちゃんのような存在」と捉えている。
「とにかく蔦重のことが大好きだったと思います。それは恋心とか、そういうものじゃなくても、蔦重はすごく大事で大きな存在でした。蔦重がいなかったら、誰袖はあそこまで頑張れていなかったと思いますし、小さい頃からずっとそばにいてくれて、いつも自分を助けてくれた人です。自分のすべてを知ってくれている蔦重が敵討ちをしてくれたことで、少し心が和らぎ、笑顔を取り戻せたのかなと思います」
蔦重役の横浜もお兄さん的存在だったと感謝している。
「横浜さんは、絶対に疲れていらっしゃるのに、たくさん話しかけてくださいました。私はすごく緊張し、けっこうガチガチになっていたのですが、『全然大丈夫だから』と励ましてくださり、まるで蔦重のように、お兄さんのような形で接してくださいました」
そして、改めて誰袖役について「一生の思い出だなと思いながら収録していました」としみじみと語る福原。「素敵な役をやらせていただけて本当にうれしかったです。毎日皆さんにいろいろとご指導をいただき、すべてが学びの時間でしたし、自分の力のなさも痛感した日々でした。これからももっともっとお稽古を続け、勉強して力をつけていかないといけないし、また、こういう役をできるように力をつけていけたらいいなと思います」と決意を新たにしていた。
1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。2005年に子役としてデビューし、2009年よりNHK Eテレの子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』で主演を務め注目される。近年の主な出演作は、ドラマ『正直不動産』シリーズ、『舞いあがれ!』(22~23)、『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(23)、『マル秘の密子さん』(24)、映画『羊とオオカミの恋と殺人』(19)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)など。『映画 正直不動産』が2026年公開予定。
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