大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で花魁の誰袖役を演じた福原遥にインタビュー。子役出身で着実にキャリアを重ねてきた福原は、本作では初の大河ドラマかつ初の時代劇にて新境地を開拓。役作りに苦戦しつつも「素晴らしい経験をさせてもらいました」と充実感あふれる表情で語る。
江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。福原が演じた誰袖は、自由奔放で愛くるしいが、計算高くてたくましい花魁だ。
大河ドラマ初出演について、福原は「いつか出られたらと思っていましたが、まさか本当にその場所に立てるなんて! しかも初めての時代劇で、まさかの花魁役でした。今までやったことのないような役柄だったので、最初は本当にわからないことだらけでした」と喜びと不安があったと言い、現場に入ってからは「収録の規模やスタッフさんの人数が全然違うなと驚きつつ、こんなに素晴らしいセットで収録ができるのか! と魅了されました」と、感激しきりだったと振り返る。
『べらぼう』の脚本を手掛けたのは、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)や連続テレビ小説『ごちそうさん』(13~14)、TBSドラマ『JIN-仁-』(09、11)などの森下佳子氏だ。福原は森下作品にキャスティングされた喜びも口にする。
「森下さんの作品をたくさん拝見していますが、今回、誰袖という魅力的な女性の役をいただけて本当にうれしかったです。とてもかわいくてかっこいい、どんどん愛情が湧いてくるような素敵な女性です。天真爛漫で真っ直ぐに突き進み、いつも笑顔を絶やさず、弱みも見せずに生きている姿や、いろんな苦労もしてきたのでピュアさの中にも賢さがあり、計算しながら生きていく姿も本当にたくましいなと思いながら演じています」
福原といえば、主演を務めた連続テレビ小説『舞いあがれ!』(22~23)の主人公・岩倉舞や前述の『正直不動産』シリーズの月下咲良など、がむしゃらに奮闘する女子や清純派ヒロインの印象が強いと思うが、『べらぼう』では大人の色香を匂わせ、何度もドキッとさせられるシーンがあった。
花魁としての役作りについては「花魁が出てくるいろいろな作品や動画を観たり、あとは花魁の所作を学び、日常から心がけました。花魁特有の動きですが、胸の軸をぶらさず、すごく柔らかく見せなければいけなくて。これが実に難しくて、自分の思い通りには動けないんです。すごく苦戦しつつ、花魁道中も含め、たくさん先生から教えていただきました」と苦労を明かす。
また、「そもそも自分が花魁役をできるのか? ということで、最初からすごく緊張していました」と打ち明ける。
「でも、所作の先生が、首を傾げたり、胸を前に出すだけで、全然見え方が違うし、色っぽさも出てくると、丁寧に教えてくれました。セリフのテンポ感や間の取り方なども演出や皆さんにいろいろ教えていただき、試行錯誤しながら演じました。森下先生の台本にも目線や表情などについて書かれていたので、そこも表現で見せられたらいいなと思いながら臨みました」
入念に役と向き合ったことで、見事に新境地を切り開いた福原。花魁のなまめかしさや力強さ、悲哀までも見事に体現した。誰袖と福原との共通点について聞くと「ここが似ているという点はあまりなかったかもしれません。猪突猛進なところも自分とは真逆なので、頑張って理解していきたいと思いながら収録をしていきました」と答えた。
「誰袖はすごく肝が据わっていて、たくましいけどかわいらしい部分もたくさんある女性だったので、自分もこんな素敵な女性になりたいと思いながら演じていました」と語り、男性をメロメロにさせる小悪魔的な仕草について「私はあんな感じにはできないです(笑)。私にできるかな、と思いつつ、色気やミステリアスな誰袖の魅力を出せたらいいなと必死に頑張りました」と笑顔で話した。
