JR北海道は、2024年度の線区別収支・利用状況について発表した。営業収益は全線区で増加し、2014年度の公表以来、最大に。修繕費・減価償却費等の営業費用が増加する線区もあったが、営業収益の増加幅がこれを上回り、営業損失は全体で16億6,400万円縮小したという。
札幌圏4線区について、「エアポート」の増発施策を通じたインバウンド等の空港アクセス需要や、「北海道ボールパーク Fビレッジ」および札幌開催のライブイベントといった輸送需要の取込みなどにより、営業収益が前年度より33億6,400万円増加。新製車両の投入による減価償却費の増加等で営業費用も増加したが、営業損失は前年度より17億8,000万円縮小した。
北海道新幹線(新青森~新函館北斗間)について、JR東日本や映画と連携したプロモーションの実施、割引率の高い「新幹線eチケット」の設定による需要喚起等により、営業収益が前年度より10億6,100万円増加。一方で、青函トンネルの特別高圧ケーブル取替費用をはじめとする修繕費の増加等で営業費用が17億8,100万円増加したため、営業損失は前年度より7億2,000万円拡大する結果となった。
輸送密度200人以上2,000人未満の「黄線区」について、インバウンド利用の増加と各種観光列車の運転等により、営業収益が前年度より1億7,500万円増加。根室本線釧路~根室間(花咲線)で線路集中メンテナンスを実施したことによる修繕費増加や、釧網本線の全線と石北本線の上川~網走間で新型車両を導入したことによる減価償却費の増加などで営業費用が1億2,400万円増加したものの、営業損失は前年度より5,100万円縮小した。
その他、石勝線・根室本線南千歳~帯広間は都市間の利用増加等で営業収益が前年度より4,700万円増加する一方、橋りょうの修繕費の増加等で営業費用が8億4,400万円増加し、営業損失が前年度より7億9,700万円拡大。室蘭本線長万部~東室蘭間は都市間の利用の増加等で営業収益が前年度より4億9,200万円増加しており、電気設備の修繕費が増加する一方で車両の減価償却費の減少等によって営業費用が800万円減少し、営業損失が前年度より5億円縮小した。