視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(6月2日~6月8日)をまとめた。
『鶴瓶の家族に乾杯』『人生の楽園』も堅調
この週のランキングは、NHKの報道番組『クローズアップ現代』が個人全体で3位にランクインした。放送前日の3日、長嶋茂雄さんの訃報が伝えられたことを受け、番組では急きょ、故人と松井秀喜さんの深い師弟愛の物語を特集。多くの国民がミスタープロ野球の逝去を悼み、その偉大な功績と人柄を振り返ろうと番組を注視したことが、この高い注目度に直結したと考えられる。
一方で、NHK『鶴瓶の家族に乾杯』やテレビ朝日『人生の楽園』といった、人と人との温かな交流や穏やかな生き方を描く番組も堅調にランクインした。地方の暮らしや人情を丁寧に映し出す内容が、“ほっとする時間”を求める視聴者の心に響いたとみられる。社会的な大きなニュースがあった週だからこそ、テレビに癒やしを求める視聴者心理が浮かび上がったランキング結果と言えるだろう。
真平の脳腫瘍克服に感動「神回だった」
フジテレビの月9枠『続・続・最後から二番目の恋』が個人全体で64.3%、コア視聴層で60.1%の注目度を獲得し、両部門で5位にランクインを果たした。2012年の第1期から13年の歳月を経て繰り広げられる第3期の物語が、変わらぬ魅力で幅広い世代の視聴者を引きつけている。
第8話は、万理子(内田有紀)の月9ドラマ企画書制作を軸に展開した。彼女が千明(小泉今日子)への想いを込めた初のオリジナル作品に挑む姿は、創作者としての成長と複雑な感情を繊細に映し出していた。
同時に描かれる典子(飯島直子)の一人暮らしへの心境変化では、思い出の品々への愛着を通して人生の節目の心情が巧みに表現されている。
物語の山場は、真平(坂口憲二)が自身の脳腫瘍の克服を家族の前で報告するパーティ。静かに緊張感が漂う中で明かされた病気の消失が、多くの視聴者の胸を打った。SNSでも「真平と万理子。いやあ泣いた」「信頼と愛、絆に溢れた神回だった」との感想が見られ、視聴者の心に深く響いた様子がうかがえる。
和平(中井貴一)の市長選立候補への葛藤も含め、登場人物たちが人生の転換点で見せる決断の重みが丹念に描かれている。鎌倉の美しい風景を背景に織り成される大人の物語は、長期シリーズならではの深みを持ち、多くの視聴者から継続的な注視を集めている。