マクラーレンのル・マン初参戦初優勝30周年を記念した750S Le Mans が登場!「MSO ハイ・ダウンフォース・キット」 で強化したスペシャル・エディション

マクラーレンは2025年6月3日、1995年のマクラーレンF1 GTRによるル・マン24時間レース制覇30周年を祝う特別モデル『750S Le Mans』を発表した。この限定車は世界でわずか50台のみが生産される極めて希少な存在である。

【画像】わずか50台の限定生産!マクラーレンの特別モデル「750S Le Mans」(写真8点)

『750S Le Mans』は、マクラーレンのビスポーク部門であるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)が手掛け、『750S』をベースにした専用のハイ・ダウンフォース・キット(HDK)が装着される。このHDKは、1995年にル・マン24時間レースを制覇したマクラーレンF1 GTR『59号車』からインスピレーションを得て開発されたものであり、空力性能やハンドリング特性が劇的に向上している。

心臓部には、最高出力750PSを発揮する4.0リッターV8ツインターボエンジン「M840T」を搭載。標準モデルを上回るパフォーマンスとレーシングカー並みの加速性能を誇る。エクステリアデザインには、F1 GTRのレーシングリバリーが反映され、特別なエンブレムと専用のカラーリングが施されるほか、ボンネットやリアウイングなど随所に軽量カーボンファイバーが採用され、機能美を極めている。

内装も特別仕様となっており、専用のアルカンターラやカーボンファイバー製パーツが惜しみなく使われている。各車両には個別のシリアルナンバー入りのプレートが取り付けられ、コレクターズアイテムとしての価値をさらに高めている。

マクラーレン・オートモーティブ最高コマーシャル責任者、ヘンリク・ウィルヘルムスマイヤーはこの特別なモデルについて、

「750SLe Mansの登場は、ル・マンでのデビュー戦優勝30周年を記念するだけでなく、McLaren GT3EVOが今年のレースに出走すること、2027年に最高峰のハイパーカー・クラスに復帰することが発表されるなど、マクラーレン・ブランドにとってとりわけエキサイティングな時期を象徴しています。このエクスクルーシブな 750Sは、FILM 以来となる、HDK で空力を強化したル・マン仕様のマクラーレンです。過去の650Sと720Sのル・マン仕様は、標準モデルに対してプレミアが付いていますから、とくに垂酒のスーパーカーとなるに違いありません」

とコメントしている。

また、今回の特別モデルの製作は、1995年のル・マン優勝から30年という節目を記念し、2027年から導入が予定されているマクラーレンGT3 EVOレースカー『LMGT3』への道筋を示すものでもある。マクラーレンはこれまでも『650S』や『720S』などをベースにした特別仕様車をリリースしてきたが、『750S Le Mans』はそれらの集大成ともいえる存在となるだろう。

加えて、同社の歴史を振り返れば、2010年代以降、マクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)を軸とした開発体制を整備し、数々の革新的モデルを生み出してきた。近年ではCYVNホールディングスとの提携も発表しており、革新的なテクノロジーを追求する姿勢を明確にしている。

なお、『750S Le Mans』は限定生産のため、早期の完売が予想されており、マクラーレンの伝統と革新を体現する究極のドライビングエクスペリエンスを求める愛好家にとっては、逃すことのできない一台となりそうだ。