第63回神宮式年遷宮のお木曳行事に向け、6月8日~10日、「御樋代木奉迎奉曳(みひしろぎほうげいほうえい)」が伊勢市で行われる。
「お木曳行事」は、伊勢神宮の社殿などの建て替えに使う檜のご用材を、旧神領民である伊勢市民が神宮へと曳き入れる550年以上の伝統がある伊勢市の民俗行事である。市や国の文化財にも指定されており、御遷宮のお祭り・行事の中でも最もにぎやかな行事といわれている。
神宮式年遷宮のお木曳行事に向けて、御樋代木奉迎奉曳が行われる。神宮式年遷宮に使用するご用材は、江戸時代から約300年にわたり木曽より伐り出され、伊勢まで大切に運ばれてきた。最初に伐採される檜こそが、御神体をお納めする器をつくるためのご用材「御樋代木」である。時代とともに、運搬方法は水運から陸運へと変わったが、伐り出された長野県・岐阜県から愛知県を経て三重県へと各地で盛大な歓迎を受け、数日間かけて伊勢へと到着する。木曽で大切に育てられたご用材、そして託された思いを受け継ぎ、真心込めて奉迎奉曳し、令和8・9年のお木曳行事へとつないでいく。
日程は以下の通りである。6月8日は「陸曳 のぼせ車」。14時30分に外宮北御門で出発式を行い、18時30分に浦之橋商店街で再出発、20時に度会橋東詰広場へ到着する。6月9日は「内宮 御樋代木奉迎奉曳」。12時50分に宇治橋前広場で奉迎、14時15分に五十鈴川浦田橋付近を出発し、17時に内宮五丈殿へ到着する。6月10日は「外宮 御樋代木奉迎奉曳」。10時40分に度会橋東詰広場で奉迎、13時に同広場で出発式を行い、15時30分に外宮北御門に到着する。
期間中は交通規制が行われる。また、奉曳コースは駐車禁止とされており、違法・迷惑駐車の排除への協力も求められている。