千絵さんに対して、「一人の人生としてすごくリスペクトしますし、苦しみの中での決断に大きな愛も感じました」という一方で、小錦からも愛があふれ出る場面があった。皮膚の切除手術で麻酔の眠りから覚めた瞬間「千絵は?」と探し、人工呼吸器を外してまでキスを求める姿が映し出されていた。

「収録に向けて事前に映像を視聴した時に、何度も何度も見てしまうすごく素敵なシーンでした。ファミリーに対する愛は、(小錦の出身地の)ハワイマインドですよね。そんな誰も太刀打ちできない愛情で2人が支え合っているんだなと思い、ここでもグッときました」

自身もハワイの人たちの人柄が好きで、「どうしても会いに行きたくなっちゃうところがあります」とよく旅行する場所だけに、心躍る場面だったようだ。

そのマインドは、千絵さんにも伝播したのか、「今回のドキュメンタリーは、千絵さんの底抜けの明るさも見どころだと思います。こちらまで勇気づけられて、ハッとさせられる瞬間がいくつもあるんです」と予告。

特に、シンガーとしてステージに立つ姿は、「普段と雰囲気が全然違うんです」と驚かされ、「夫を支える内助の功の立場もあれば、自立したカッコいい女性にも感じて、いくつもの顔を持った千絵さんと小錦さんの素敵な夫婦の姿を見てもらえたらと思います」と呼びかけた。

  • 千絵さん (C)フジテレビ

ナレーター泣かせの「切除手術」に挑む

『ザ・ノンフィクション』をよく見ているという武井は「誰かの人生を拝見して、自分が経験したことのないことを知ることができますよね。今回のように、命を懸けて戦ってきたお相撲さんと、そばで支える人という関係はなかなか知る機会がないので、こういったドキュメンタリーでいろんな人に届くと思うと、そこに携わることができてうれしかったです」と、同番組初ナレーションの喜びを語る。

今回の原稿には、「手術」というナレーター泣かせの言葉が何度も登場。その上、「切除手術」というさらに難易度の高いワードも出てくるだけに、「すごく練習しました! ハマってしまったらどうしようと不安もあったのですが、医者の役をやったこともあるので、その経験が生きました(笑)」といい、収録では見事にOKを出していた。

●武井咲
1993年生まれ、愛知県出身。06年に「第11回全日本国民的美少女コンテスト」でモデル部門賞とマルチメディア賞をダブル受賞。三池崇史監督作の2012年公開映画『愛と誠』で主演として本格スクリーンデビューを飾り、その後も、『るろうに剣心』、『今日、恋をはじめます』、『クローバー』などの映画、『大切なことはすべて君が教えてくれた』『Wの悲劇』『すべてがFになる』『黒革の手帖』などのドラマに出演する。