女優の今田美桜が主演を務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。制作統括の倉崎憲氏に反響をどのように感じているか話を聞いた。
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。
制作陣も各SNS等で日々反響を調べているそうで、「こんな思いを持ってくださるんだという意外なリアクションがけっこうあって、それが面白いなと思いました。私自身、朝ドラは3作目ですが、朝ドラは大河以上に視聴者の皆さんと毎日作り上げていくものだなというのを改めて感じていて、シンプルに毎日の反響が楽しみです」と語る。
想定外だった反響としては、嵩の母・登美子(松嶋菜々子)に対する声だという。
「『毒親』だったり、登美子さんへの反響が想定以上で、逆に言うと、それだけ物語に感情移入してくださっているんだなと思っています。ある種ヒールな役というか、子供から離れて再婚して。現代ではあまり考えにくいかもしれまんが、当時はそういう人も少なくなく、多くの反響を頂いていることにびっくりもしていますし、うれしくもあります。ちゃんと物語に入って、登美子に対しての怒りややるせなさを感じてもらっている証拠でもあると思うので」
そして、「1億2000万人いたらいろいろな捉え方があるんだなと、当たり前のことを日々感じています」と語る倉崎氏。
また、「登美子はそうせざるを得なかったと思うんです。そうするしか生きる道がなかったというか。彼女は彼女なりに精一杯生きた証拠だと思います」と登美子にも寄り添い、「松嶋さんとクランクイン前から、根にはやはり息子の嵩と千尋への愛情がちゃんとある人という話をしていて、旦那さんを亡くしてぽっかり空いたというのは間違いなかったと思います」と解釈を述べる。
さらに、「登美子に関して、真の意味での嵩との和解も含めて、ちゃんと描いていきたいと思っていますし、最後まで登美子と嵩の関係、あるいは登美子とのぶの関係がどうなっていくのかというのは注目していただきたい」と語っていた。
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