トヨタ、カローラ クロスに専用HVを積んだ「GRスポーツ」を設定! 発売60周年を間近に大幅改良を実施

2025年5月23日、トヨタのコンパクトSUV「カローラ クロス」がマイナーチェンジを実施した。デザイン面のアップデートははもちろん、カーボンニュートラルの実現に向けてパワートレーンもハイブリッドに一本化。また、スポーティグレードの「GRスポーツ」も設定されている。

【画像】新グレード「GRスポーツ」の顔がレーシー!

カローラは、「地球人の幸福と福祉のためのクルマ」であることを使命に、「良品廉価」、「変化」、「プラスアルファ」を3つのキーワードとして1966年の発売から150以上の国と地域で愛されてきた。2026年には発売60周年を迎える、ご存知ロングセラーモデルである。

現在、その販売の中心を担うカローラ クロスの改良は、多岐に渡っている。ポイントは、①所有・移動する質を高める、②安心・安全の質を高める、③より走りを楽しみたいというニーズに応える、以上3点だ。

①内外装変更、パワートレーンはHVのみに

洗練された佇まいと、SUVとしての力強さを追求。具体的には、フロントバンパーはグリルと一体化。スマートで洗練されたイメージを演出している。またフロント/リヤランプを変更、力強い見た目のフルLEDタイプとなった。さらに上質な光り方が特徴のセンターランプも追加されている。

インテリアでは、シフトノブやシフトパネル周辺のデザインを刷新。使いやすさを向上させつつ、内装全体との調和が図られている。またイルミネーテッドエントリーシステムも追加。幅の細いLEDは、先進感と質感の追求に寄与している。

パワートレーンは、直近で改良があったカローラ/カローラ ツーリング/カローラ スポーツ同様に、カローラ クロスもハイブリッドのみに(もちろんGRカローラはのぞく)。なお、S、GグレードのFF車は価格を据え置き。Zグレードについてはシートベンチレーション機能など快適装備追加のほか、オプションの一部が標準化されている。価格は、ページ最下段で確認してほしい。

②路面を照らすウインカーは日本初採用!

「シグナルロードプロジェクション」と呼ばれる日本初の装備も加わった。これは、方向転換先を歩行者や周辺車両にわかりやすく伝える機能で、シーケンシャルでの点灯を省略するなど機能を厳選した結果追加できた装備だ。大衆車であるカローラでチャレンジすることで、安全な機能が広まってほしいという思いが込められている。

また、トヨタ初の機能として「SNOW EXTRA」モードも新搭載された。これは、雪がが多いときでも気軽に外出でき、さらに長時間の運転が苦にならないよう「安心」をテーマに設定。「NORMAL」モードと比較すると、力強く安定して発進、直進時ではフラフラせずどっしり感が増すなど、電動フルタイム4WD制御によって高い走行安定性を実現。ハンドルの手応えやクルマの向きに注目しながら実際に北海道の雪道を走り込み、寒冷地のユーザーに寄り添うプラスアルファの機能として開発された。

③専用の2リッターエンジンを積んだ「GRスポーツ」が登場

意のままに操れる喜びを追求した「GRスポーツ」は、ベース車の1.8リッター+モーターではなく、2リッター+モーターのハイブリッド車。専用エンジンであり、さらにモーターの出力向上により心地のいいサウンドと加速を実現。またGRスポーツ専用となるSPORTモードは、アクセルレスポンスの向上に加えてつねにエンジンの回転を準備(待機)させることで、どの速度域からでも思いどおりの加速ができるように変更されている。

サスペンションも専用セッティングで、減衰力を上げて素早い応答性を実現。ホイールも専用で、軽量かつ高剛性と追求。機能面も見た目もスポーティな仕様だ。

エクステリアでは、専用のフロントバンパーやグリルでGRらしいレーシーさと力強さを両立。空力面も踏まえた設計だ。インテリアでは、GRカローラと同様のスポーティなシートを採用することで、所有する喜びを演出。サイドサポートのほか、シート表皮のメイン材をスエード調表皮とすることで滑りにくい仕様となっている。

なお、パドルシフトやアルミペダルも専用品。スポーティな走り、その印象が高まるアイテムがそろっている。

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1966年11月の発売から2024年12月までのグローバル累計販売台数は約5546万台。日本では同約1089万台を誇るカローラシリーズ。特に昨今は売れ筋のコンパクトSUVであるカローラ クロスに人気が集中している。今回の大幅改良によって、ますますその注目度が高まっていくのは間違いない。

■バリエーション&価格

・GRスポーツ:389万5000円

・Z:343万〜368万9000円

・S:298万〜323万9000円

・G:276万〜301万9000円

〈文=ドライバーWeb編集部〉