Miso Extraが語る、日英ルーツが溶け合う甘美なポップス「もちもちって響きがマジで大好き」

英国人の父と日本人の母のもと、ロンドンで育ったミソ・エクストラ(Miso Extra)。バイリンガルの彼女は、英語と日本語が絶妙に混ざり合う不思議な歌を紡ぎ、にわかに注目を集め続けてきた。そんな彼女が届けた1stアルバム『Earcandy』では、より流暢かつ印象的に日本語が歌われ、日本のカルチャーからの影響も随所に感じられる。

以前からJ・ディラやMFドゥームをはじめヒップホップからの影響を公言していた彼女だが、本作では(「POP」という楽曲もあるように)軽やかなポップスのテイストが加わり、表現の幅が一段と広がった。初のアルバムは、どのように生み出されたのか? どうやらアジアの音楽からは多大な影響を受けているようで、NewJeans、宇多田ヒカル、CHAI、チボ・マットまで、英語と日本語を随時切り替えながら、多岐にわたるエピソードを話してくれた。

ミソ・エクストラと『Earcandy』の構成要素

―1stアルバムのリリースおめでとうございます。『Earcandy』というタイトルを聞いて、あなたらしくて最高だと思いました。これまでも食をテーマにしてきた中で、「キャンディ」と名付けたのはなぜですか?

ミソ:(日本語で)「キャンディ」はよくポップ・ミュージックに使われる言葉なので、『Earcandy(=耳にクセになる甘い味)』がいいかなって思って。あと、私の曲はジャンルがないし、これまでも「Umami for Ears (耳への旨味)」とか付けてるしね。

―「candy」というネーミングには、「失敗を通して成長すること、失敗することを恐れないこと」といったメッセージを飲みやすくするためのお砂糖、という意味合いも込められているそうですね。今作で、そういったメッセージにたどり着いた背景は?

ミソ:(英語で)デモを作ってるとき、自然にできたかな。自分が作ってる曲を見返したときに「あ、そっか、今回はこういうメッセージってことなんだね」みたいな。いつも音楽に任せるようにしてるし、しかも聴いて楽しいものにしたい! そうすると、いつのまにか音の印象とは対照的なテーマに行き着いてることが多くて。今言った「スプーン一杯の砂糖」っていうメッセージも、まさにそういうところから自然に行き着いてるんじゃないかな。

―もともと「人に聴かせるためではなく、自分のために曲を作っていた」そうですが、今ではそれがアルバム制作にまで至っています。あなたを突き動かしている原動力は何なのでしょうか。

ミソ:(日本語で)うーん…………楽しいから(笑)?作ると、やっぱり夢中になったりするからね。(英語で)夢中になりすぎて自分でも止められないんだよ。(日本語で)皆さんが応援してくれるし。それでちょっと元気になる。(英語で)というか、単純にそういうの抜きにしても、めちゃくちゃ楽しいし! 好きでやってることだからね、自分でも楽しくて仕方ないの。そりゃまあ大変なこともたくさんあるけど、そこから得られる喜びの方がはるかに大きい。曲作りだけじゃなく、実際に自分が作った曲を人前で披露することも。なんかね、すごく素敵で美しいことだなあって思っちゃう。

―「ミソ・エクストラ」というアーティストとしてのアイデンティティを見つけるまでには、どのような経緯や試行錯誤があったんですか? 「子供の頃にからかわれて呼ばれてた名前を、逆に利用してやろうと思った」という発言もありましたが。

ミソ:(英語で)名前についてはちょっとした皮肉でもあって、子供の頃、公園でからかわれたときに言われてた言葉から取ってる。小さい子って平気で残酷なことを言ったりするでしょ? ただ、「ミソ・エクストラ」って名前自体は、すごくポジティブで楽しいネーミングっていうか、自分が自分であることを祝福するみたいな、ガンガン外に出ていって調子にのって派手にかまして思いっきり人生楽しもう!みたいな。自分の中ではそういうイメージなんだよね。

あと、自分はMFドゥームの言葉遊びにも影響を受けているんで。ラップやヒップホップのカルチャーで食べ物に関する表現がよく使われてるから、そことの繋がりもあるし。日本のカルチャーにおいても、食べ物って重要な「(日本語で)文化」でしょ。全部がそこで繋がってるし、今いった全てをひっくるめた言葉がミソ・エクストラという。

―ラップカルチャーからも影響を受けていますか?

ミソ:(日本語で)一応、ラッパーっていうか……(英語で)思いっきりラップしてるし(笑)! でしょ(笑)? (日本語で)あと、ラッパーだけでもないよねって思ってるから。

―うん、確かにラッパーだけじゃない。

ミソ:(日本語で)サンプリングとかは、たぶん、子供の頃のまわりの友達から影響を受けていると思う。イギリスでね。普通にテレビとかでも流行ってるし、UKのラップをみんな聴いていたので。(英語で)自分と同世代でイギリスで子供時代を過ごしてたら普通に入ってくるよな、みたいな。それが必然的に自分の作る音にも出ちゃってるよね。

―『Earcandy』の構成要素として、どのような音楽が挙げられそうでしょうか? それはきっとカラフルで、挙げ出したらキリがないと思うのですが。

ミソ:アハハハハ!そうだね。(英語で)音楽的にはジャネット・ジャクソンの要素がかなり強いかも……あ、それで言うなら、アリーヤも! あとは何だろうなあ……何があったっけ?……ああ、でも「POP」って曲に関しては、K-POPとかJ-POPの影響も入っていると思う。子供の頃、宇多田ヒカルの大ファンだったから、そっちルートからのR&B的要素も確実に入ってるよ。サンプリング面においてはJ・ディラっぽい要素も入ってるし、もうほんとに色々、キリがない(笑)。

―ジャネット・ジャクソンやアリーヤの影響について詳しく教えてもらえますか。

ミソ:ジャネットの影響に関しては「Ghostly」が一番わかりやすいかな。あの、いかにも80年代っぽいドラムとシンセのサウンドが、昔からツボなんだよね。アリーヤに関してはボーカルの扱い方っていうか、これぞまさにザ・R&Bっていうような、非の打ちどころのないくらい完璧に構築されたR&Bのボーカルのお手本みたいなものがあるよね。それを指針にしていきたかった。メロディはキャッチーなんだけど、そこには確実に自分自身のストーリー性があるっていう。

―J・ディラに関してはどうですか?

ミソ:直接サンプリングこそしてないけど、J・ディラのサンプリング・スタイルにすごくインスピレーションを受けてる。まさにザ・王道ヒップホップみたいな。ギターの音をループさせてサンプリングして、さらにサンプラー上で細かくカットして使ってるんだけど、すごくJ・ディラ的だなって思う。さっき言ったヒップホップからの影響が思いっきり出てるよね。要するに、サウンドそのものよりも、アプローチとか手法の部分。それを再構築して、自分のスタイルに利用してるという。

―UKのクラブ・ミュージックの影響も感じるんですけどその辺はどうでしょう?

ミソ:(日本語で)うーん、私はDJもよくしてるので。最近バズってるのはJim Legxacyって人とか……あとA.K.ポールとか、メトロノミーとか……その2人とか、こっそり私のアルバムでも弾いてくれちゃってるんだけどさ(笑)。そういうところからも、UKの要素が入ってきてると思う。

―A.K.ポール(ジェイ・ポールの弟、ジェシー・ウェアやNaoを手掛けてきたプロデューサー)は、先ほど挙がった「Ghostly」に携わっています。どのような狙いがあって起用されたのでしょうか。

ミソ:(日本語で)大ファンなの‼ マジで(笑)!(英語で)彼の作品が大ファンすぎて、今回の話を引き受けてくれたとき、普通に舞い上がったし(笑)。「自分の憧れの人と実際に会わないほうがいい」とかよく言われるけど、会えて本当によかった。だってもう、彼の作品にどれだけ影響受けてるのかわかんないくらいだし、そんな人が共演をOKしてくれるなんて、お墨付きをもらったみたいな気持ち。しかもデビュー・アルバムだからなおさら特別だよね。

―ブレイクスルーをとりわけ印象づけられたのは「Good Kisses」でした。メトロノミーとの共作ですが、この曲の制作背景を聞かせてください。

ミソ:(日本語で)まず私、彼のファンだから(笑)!(英語で)普通にファンだからさ。それで最初セッションって形で会うことになって、でもそのときは一緒に作るとかじゃなくてただ2人でひたすら喋ってたの。でも、後になってからその時の話を思い出して「UKのR&Bをミソ・エクストラとメトロノミーの捻りを加えてやってみたらどうなるんだろう?」って閃いたんだよね。それで自分達が普段愛用してる楽器やサウンドを再構築するみたいな形でアプローチしていていって、できたのが「Good Kisses」で。あのブリッジ部分にエレクトロニック・ハープが登場するんだけど、あれなんかいかにもR&Bで。それでもエレクトロニックっぽい感じもあって、めちゃくちゃ自分達っぽいなあって。

日本語の響きへの愛着、宇多田ヒカルやNewJeansの影響

―『Earcandy』は、過去の作品と比べても、とりわけポップなレコードになっているように感じました。意識的にポップであることを強調しているようにも映るのですが、音楽面のコンセプトを教えてください。

ミソ:(英語で)子供の頃の自分が聴いたらめっちゃ夢中になってただろうなあってアルバムにしたくて、小さかったミソちゃんを喜ばせたかったの(笑)。それで自分が子供の頃に好きだったポップ・ミュージックを再利用して再構築し直したっていう。自分のインナーチャイルドに「何が好き? 何が楽しい?」って聞きながら作っていったみたいな。だから、今回のアルバムって、自分の中の小さなミソのリクエストに応えながら作ってるともいえる。

―「POP」はK-POP、とりわけNewJeansからインスピレーションを得たそうですね。

ミソ:(英語で)っていうか、可愛すぎてヤバいでしょ(笑)。(日本語で)あまりにも可愛いから。その可愛さと曲の作りの強さ?……そういった組み合わせが、あまりにも好きすぎるし最高すぎる。そこに敬意を表したかった。

―サウンド的にもNewJeansから影響を受けていますか?

ミソ:(日本語で)そうだね、NewJeansはUKガラージの音が聴こえるから、(英語で)それが自分の耳に引っかかったのかも。

―「POP」では、歌詞にもある通り、日本的な”可愛さ”が曲のインスピレーションになっているように感じました。いわゆる日本のkawaiiカルチャーから得たヒントもあるのでしょうか。

ミソ:(日本語で)イエス。きゃりーぱみゅぱみゅとかAKB48とか、そういうの。よく秋葉原とかで……子供の頃、原宿系が好きだったんで、それを頭の中でイメージして書いた。私はCHAIの大ファンでもあって。そういったNEOかわいい系の影響もある。夏休みとか春休みに、よく日本に行ってたから。従妹にそこら中色々連れまわされてね(笑)。

―「POP」では、「もちもち」「もりもり」など、日本語の響きをあなた自身がとても楽しんで歌っているように聴こえました。日本語の音の気持ち良さや面白さは、どのようなところにあると思いますか?

ミソ:(日本語で)日本のオノマトペって、最高じゃない(笑)? 英語にはない、あまりにも耳に気持ち良い感じがあって。もうなんか……もうマジで大好きなので(笑)。それをソングライターとして使えるのがすごく楽しかった。

―日本語と英語を織り交ぜた歌のコンビネーションについて、特に日本語のパートに大きな進化を感じました。言葉の響きとサウンドがより溶け合っているように思います。その点で何か意識したことはありますか?

ミソ:(日本語で)そうだね、最初のEPの時は、初めて日本語と英語を組み合わせたから。まだちょっと試してたのね。 今回は、前よりも練習して上達してきて。

―同じような感覚でやっているお手本の人はいるんでしょうか。

ミソ:(日本語で)えーっと、いるかな? うーん……ヒカル・ウタダとか。あとは、ケロ・ケロ・ボニトとか。私、「First Love」をいっつも聴いてたんだよね! 車の中で、お母さんと一緒に買い物に行くときとか。 アニメのテーマ曲とかもよく聴いてたな。他には……Crystal Kayとか。 でも、ヒカル・ウタダが一番よく聴いてた。

―今回のアルバム制作にあたって、日本の音楽で参照したアーティストはいますか?

ミソ:(日本語で)CHAIとかケロ・ケロ・ボニト。あと、なかむらみなみ。

―あなたのプレイリストにはチボ・マットの曲も入ってて、なんかわかるかもって思いました。

ミソ:(英語で)チボ・マットは最近になってから知った。でも、それはすごくよくわかるでしょ! 最初に聴いたとき「うわ、めっちゃ自分の好み、めっちゃ自分っぽい!」って思ったし。チボ・マットの、とくに曲名が全部食べ物のアルバム(『Viva! La Woman』)とかさ。

―日英の言語を並列に使った歌詞について、日本の音楽ではそれが普通なので違和感はないですが、イギリスでは日本語詞はどのように受け止められているのでしょうか。そちらのリスナーから、何か日本語詞に対する反応をもらうことはありますか?

ミソ:(英語で)めっちゃ普通に受け入れられてる。すごいいい感じの反応が返ってくるよ。日本語のリズム感や音の響きって、めちゃくちゃいいじゃない? すごく素敵に聞こえる。だから、普通に音として入りやすいっていうか……あと最近のK-POP/J-POP人気のおかげで、みんなそういうのに慣れてきてるのもあるかも。普通に抵抗感なく受け入れられてる感じ。英語以外のパートについても、単純に音の響きとして楽しんじゃってるみたいな。だって、めちゃくちゃ可愛いからね! 自分の曲がきっかけで日本語について勉強したっていうファンもいるくらい(笑)。

―過去のインタビューで「日本語は、これは誰にも理解できないだろうと感じていたことで、英語は私が相手に理解させようとしていること。だから英語の方がちょっと楽しい感じで日本語はちょっとシリアス」とおっしゃっていました。その使い分けは、今作でも変わっていませんか?

ミソ:(英語で)そこはだいぶ変わったんだよね。今の方がだいぶ進化してるし、そのへんのバランスがもっと取れてる。自分が何をどう書いていくかっていうところで、前よりも自覚的になってるのもあるし、前より上手く扱えるようになってるよ。

―1曲目「Love Train」での案内のアナウンスや、8曲目の「slow down」で幸せについて語っているパート、最後の曲のアウトロなど、 重要なところで日本語を使われているように感じましたが、その意図は?

ミソ:(英語で)それに関しても、意図的だろうね。日本の電車のアナウンスに関しては単純に好きだからというのもあるけど。めちゃくちゃキャッチーで、めっちゃハマる。言葉遊びとして使ってる場合もあるし。「slow down」の日本語の使い方なんて、これってむしろヒップホップからの影響に近いんじゃないかな?って思うときもあるくらい。ヒップホップってよく日本語の曲をサンプリングしてたりするからね。でも、わざわざ他から引用しなくても、日本語のサンプルの元ネタから自分で作れちゃうわけじゃない? ウータン・クランとか、昔から日本語のサンプルを多用してたし。だから、昔からわりと行われてきたことではあるんじゃないかな。

アルバムは旅の記録、今も成長期真っ只中

―「playboi」では、恋愛の混乱を描いた歌詞がユニークです。資料に「AIによるアドリブ」と書かれているのは、AIに歌ってもらったのでしょうか?

ミソ:(日本語で)イエス、そうですね(笑)! よくSiriとかに質問するじゃん? あとChatGPTとかさ。そういう雰囲気を作りたかったんだよね。もう、普通に日常生活の中にも入ってるから。そういう方がよりリアルさが出ると思って。

―「Love Train」や「Dont Care」ではご自身でトラックも作られています。以前からビート制作はしていたのでしょうか?

ミソ:(英語で)昔からずっと作ってきてたし、これからもずっと作り続ける。自分ももっと上手になりたいしね。何も自分の作ってるビートが一番とは言わないけど、それでも自分なりにコツコツ作り続けていくつもり……だって、楽しいから! それがやっぱ一番じゃない? 自分の好きなことやって、そのうち上達してったら、それが一番いいじゃない?

―今回のアルバムのトラックメイキングについて、印象に残っているパートはありますか?

ミソ:(日本語で)今回はね、よくOP1を使ってた。(英語で)一貫性を持たせるためにも楽器を統一して、OP1をずっと使ってたり、あとサンプルもできるだけ自分で作った音を使うようにしたり、ベースも一貫して同じのを使ってて、ギター・サウンドも一部そう。そうやって同じ楽器や機材に徹することでアルバム全体として統一感のあるサウンドになるようにしてる。

―アルバムのサウンドは、オーガニックな部分と人工的な部分のバランスがすばらしく、まさしく「Earcandy」だと思いました。プロデューサーのRiccardo Damianとはどのような音作りを目指して、どのようなやりとりを進めていったのでしょうか。

ミソ:(英語で)最初、全体的にフラットな印象だったんで、もうちょっと動きを出してなおかつ統一感を出したいなって。実際に、それが見事にハマったケースだと思う。2人でどの楽器を軸にしていくのか密に話し合って。それと今回Studio 13で作業させてもらうという、最高すぎる機会に恵まれたんで! 言うまでもなくデーモン・アルバーンの作品をはじめ、数々の名作を生み出してきたスタジオで。スタジオの楽器や機材のラインナップもトップクラスのものが取り揃えてあって、あの環境自体が完璧に素晴らしすぎた!(日本語で)キンチョーーーーーしたよね(笑)‼ すごく緊張してた(笑)。まずは緊張して、ちょっとリラックスしてからは楽しかったね(笑)。でも、まずは緊張(笑)!!

―(笑)これまで、錚々たるメンツがレコーディングしてきたスタジオですもんね。

ミソ:(日本語で)そうだねえ、デーモンとか、ポール・マッカートニーとか、いろんな私にとってのアイドルというか、憧れのミュージシャンが使ってた場所だから、頑張らないと!って思ってたよ。

この投稿をInstagramで見る ???????????????? ????????????????????(@misoextra)がシェアした投稿 Studio 13でRiccardo Damianとレコーディングするミソ・エクストラ。写真左下の白い楽器がTeenage Engineering OP-1

―「Candycrushin」からタイトル曲「earcandy」へと続く終盤の展開も印象的でした。〈自分のまわりに壁を作って閉じこもった(I know Ive been a downer putting up all my walls)〉という一節もありますが、このアルバムで伝えたかったストーリー、あなた自身がこのアルバムを通じて見つけたものについて聞かせてください。

ミソ:(日本語で)うーん、いい質問だね(笑)……(英語で)発見したこと……自分が思ってたより、意外と度胸あるんだなってことかな。あと、今回いろんなミュージシャンと一緒に共演したことで、コミュニティみたいな感覚に目覚めたのもあるかなあ……最初のEPはほぼ自分とTricky N Dukeだけで作ってるし、それが今回自分の憧れのヒーローだったり自分がミソ・エキストラをやっていく中で新たに出会った友達も参加してくれてるわけでしょ。それによって、より自分自身が開かれていったみたいな。

あと、今回自分が学んだことはメッセージ的な部分で。ポップ・ミュージックって、「愛とは?」っていう、愛をメッセージとして伝えてることが多いじゃない? でも、私たちのどれだけの人がそのメッセージを本当の意味で理解してるんだろう?って思う。私たちが愛だと思い込んでるものの多くが、単に恋愛にうつつを抜かしている状態についてだったりする。そこで何が一体本当の愛なのか余計にわからなくなって、頭の中がこんがらがったり……その混乱した頭の中をそのままの状態で出しちゃってる感じかなあ。自分のリアルな感覚であり実体験としてね。今回のアルバムは、その旅の記録みたいなもので。しかも、今も現在進行形でその旅の最中だから。

―ちなみに、これまで自分の顔をアートワークに使ってこなかったと思うんですが、それを今回使ってみようと思ったのはなぜ?

ミソ:(日本語で)まあ今回はポップアルバムだからね。顔を出さないと。あとまあデビューだから今のうちにやらないとね。あと10年、20年先のミソちゃんが「なんで自分の顔をつけなかったんだよー⁉」とかね(笑)、「若い時になんで顔を出さなかったんだよー!」とか言うかもしれないし(笑)。あとR&Bやポップの歴史の中では、(英語で)自分の顔をジャケットに出すのが伝統的に主流だから。デビュー・アルバムだし、初々しい姿をさらして形に残しておこうと思ったの。

―今後、どういうふうに活動していきたいですか?

ミソ:(日本語で)うーん、日本でライブやりたいですね!

―ぜひ!

ミソ:(日本語で)やっぱり日本には行きたいです。日本のアーティストと一緒にコラボなどもしてみたいですね。

Miso Extra

『Earcandy』

配信中:https://misoextra.ffm.to/earcandy

日本盤CD;2028年5月28日リリース

解説/歌詞/対訳付、日本盤ボーナス・トラック収録

詳細:https://bignothing.net/misoextra.html

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