ヤマハ発動機とヤマハは共同で、耐水性と耐衝撃性を兼ね備えた水上オートバイ用音響システムを開発。今春発売の「ウェーブランナー」2025年モデルに搭載するという。

同じYAMAHAブランドを使用する企業として、共にさまざまな活動を行っているヤマハ発動機とヤマハ。“ふたつのYAMAHA”による今回の共同開発は、ヤマハ発動機の電装エンジニア・鈴木正吉さんの「なぜヤマハ発動機の製品にヤマハ製のスピーカーが搭載されていないのか?」という素朴な疑問から始まったという。

国内外の自動車メーカーにサウンドシステムを供給しているヤマハだが、自動車と水上オートバイでは使用環境がまったく異なり、「そもそも水に沈めてもいいスピーカーなんて世の中にほぼ存在しません(笑)」と鈴木さん。

そんな中、開発チームが目指したのは、「もっと走り続けたい」という気持ちにさせる、真夏の野外音楽フェスティバルで味わうような高揚感。さらに、オープンエアで、かつ波や風の大きな影響を受ける水上オートバイならではの環境に適応させるべく、高い次元で求められる耐水性、そして波やエンジンの回転が与える大小の振動からシステムを守る耐衝撃性を追求したという。

鈴木さん主導のもと、試作~実験~対策といったプロセスが幾度となく繰り返され、ついに水上オートバイ用の音響システムが完成。同システムは、この春発売の「WaveRunner」2025年モデル4機種に標準装備されている。

なお、オーディオシステムのデザインはヤマハデザイン研究所が担当。ドラムシェルのような大きな面と、コクピットを感じさせるスピーカーグリルを対置させており、微妙に異なる両社の商標“音叉マーク”が、一つの製品についている点もちょっとユニークなポイントとなっている。