『アンチヒーロー』が特別な作品になったと話していたが、自身のキャリアにおいてどんな経験になったのだろうか。

「約5カ月撮影があったのですが、それだけ長く1つの役を演じ続けるという経験がなかったので、それが大きな変化でした。そして、5カ月間も紫ノ宮を演じていると、自分でも気づかないうちに役と同居しているというか、その感覚が初めてで。いつも現場に行くときはギアを切り替えていましたが、役にすんなりと入っていける自分がいるという変化は不思議だなと思いました」

同じシーンが多かった主演の長谷川博己や共演の北村匠海とは、撮影後も交流が続いているという。

「『アンチヒーロー』の話もそうですが、これから大きい目で、日本がどういう作品を作っていかなきゃいけないんだろうとか、世界と戦うにはこういうものを作らなきゃいけないみたいな熱い話ができるで、撮影中も前室でいろんな話をしていました。自分自身がこれからもキャリアを重ねていく上で、出会えてよかったなという作品と先輩方にお会いできたというのがすごくうれしかったです」

『御上先生』でも新たな境地を感じているようだ。

「人を殺めてしまっているところに関しては、実際の自分は受け入れてはいけないけれど、受け入れないとキャラクターを全うすることができないという感覚が不思議で。理解できるけど共感できない役や、理解も共感もできる役はありますが、今回に関しては、どこか理解はできるけど本当は理解してはいけないし、でも受け入れないと演じられないという、今までにない感覚ばかりで、そういった経験は初めてでした」

続けて、「ずっとわからなさを抱えたまま現場にいましたが、ふとわからないことって全然悪いことではないなと。逆にこれまで、役を演じる上でわかったつもりになって日々撮影を重ねていたこともあったのではと思ったときに、お芝居に限らず生きていく中でも、わかったつもりで物事を進めていくことの方が怖いのではないかと思いました」と芽生えた思いを明かし、「違う角度から物事を考えられた作品だったので、これからこのお仕事を続けていく上ですごく大事な時間だったなと思います」と語っていた。

■堀田真由
1998年4月2日生まれ、滋賀県出身。2015年にWOWOWのドラマ『テミスの求刑』でデビュー。2017年にNHK連続テレビ小説『わろてんか』で主人公の妹を演じて注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ『鎌倉殿の13人』(22)、『大奥』『風間公親-教場0-』『たとえあなたを忘れても』(23)、『アンチヒーロー』『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』、映画『バカ塗りの娘』『禁じられた遊び』『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(23)、『ある閉ざされた雪の山荘で』『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24)など。

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