Kis-My-Ft2のメンバーで、俳優としても数々のドラマや映画に出演している藤ヶ谷太輔。DMM TVオリジナルドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』(独占配信中)では不愛想な殺し屋役を演じ、キレキレのアクションを披露している。藤ヶ谷にインタビューし、本作での役作りやアクションシーンの裏話、のんとの共演について話を聞いた。
若林稔弥氏による同名の4コママンガを実写化した本作は、ブラック企業のOLから殺し屋に転身した主人公・西野カナコが、凄腕の殺し屋へと成長していくブラックコメディ。奇想天外な主人公・カナコをのんが演じ、不愛想で基本「殺すぞ」しか言わないが、常にカナコを心配し見守る殺し屋の相棒・桜井役を藤ヶ谷が演じた。
――セリフがほぼ「殺すぞ」のみという桜井役を演じる際にどんなことを意識しましたか?
いるだけでなんかおもろいというか、何か起きそうな空気感を出すということと、何を考えているかわからない雰囲気を出しつつも、6話まで見ていくと「殺すぞ」だけでカナコも視聴者の方も桜井の言いたいことがわかってくるというのを意識しました。
――「殺すぞ」というセリフを発するときに意識したことを教えてください。
最初は「殺すぞ」のパターンがいろいろあった方がいいのかなと思って、20パターンぐらい言い方や強さを考えていましたが、監督とも話して、同じような「殺すぞ」だけど感情がわかってくる方が面白いんじゃないかということになり、確かにそうだなと。ブラックコメディなので、やりすぎないというか、やらないが故に知りたくなるというのは、すごく意識しました。且つ、アクションはバシッとやる。6話という短い中で、カナコとしっかりバディ感を作るというのも課題でした。
――セリフに頼らない演技はご自身にとって新たな挑戦になったと思いますが、いかがでしたか?
ただいるだけだけど何か伝えたいはずというのは、すごく大変でしたけど面白かったです。準備稿をいただいたときに、気を使ってくださったのかわからないですが自分が思っていたよりセリフが増えていて、初めて監督にお会いしたときに「準備稿を見て思ったことがあって。もうちょっとセリフ量を……」と話し始めたら、監督から「少なくですよね」と言われ、「そうです」と。監督は「実は僕も思って、藤ヶ谷さんに確認しようと思いました。しゃべらなければしゃべらないほど面白いキャラクターで、だけどちゃんと存在感がないと成り立たない」とおっしゃっていました。
――のんさんが、「殺すぞ」という一言や「……」という無言で感情を表現する藤ヶ谷さんが素晴らしいと絶賛されていました。
うれしいです(笑)。でも、本当に会話劇より難しかったです。セリフがないから楽だとか覚えなくていいということではなく、セリフが少ないからこそ、ほかの方のセリフをちゃんと覚えて聞いておかないといけないなと。自分の勝負ポイントが短いし少ないので、プレッシャーというか別の緊張感もありました。
「アクションはチームで作るんだな」と実感
――キレキレのアクションも披露されていますが、アクションシーンはいかがでしたか?
アクションは自分が頑張るということではなく、チームで作るんだなと実感しました。例えば僕が投げるときも、投げられた方のリアクション次第で僕が強いかどうかがわかるし、相手をつかむところがずれてしまっても、それに合わせて対応してくださったり、本当にチームで作るんだなと。ケガしないようにという緊張感もありましたが、気持ちよかったです。
――第1話から見せ場がありますね。
でも、俺がどんなにアクション練習して本番に挑んでも、その後ろでカナコがしゃべったり、消えたり、動物が出てきたりするので、結局持っていかれます(笑)
――事前にどれくらい練習されたのでしょうか。
何カ月か練習しました。毎日とかではないですけど。基礎練をして、そこから殺陣をつけていって。前半はポンコツのカナコを桜井が利用して、カナコも桜井の邪魔になりながらも……という感じですが、このドラマはカナコが桜井のレベルに追いつき、むしろそれを抜くぐらい成長していくので、のんちゃんのほうが大変だったと思います。
――キスマイとしてのパフォーマンスも、アクションに生きているなと感じますか?
全然違いました。「それだと踊りの下半身の体幹になっています」と指摘されることもあって。体の使い方ももっと大きくやらないといけなかったり、実際とカメラのレンズを通したときでは見え方が違ったり、そういうのも学びながらやりました。そしてやはり、受ける方のリアクションが大事だなと。チームで作り上げることを意識して、緊張感のあるアクションシーンにできたと思います。