俳優の松坂桃李が主演を務めるTBS系日曜劇場『御上先生』(毎週日曜21:00~)で、隣徳学院3年2組の生徒で報道部の部長・神崎拓斗を演じる奥平大兼にインタビュー。本作のオーディションにまつわるエピソードや、主演の松坂との共演について、そして今年の抱負を聞いた。

  • 日曜劇場『御上先生』神崎拓斗役の奥平大兼

本作は、教育のあるべき真の姿を描く大逆転教育再生ストーリー。東大卒のエリート文科省官僚の御上孝(松坂桃李)が隣徳学院3年2組の担任教師になり、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく。

奥平が演じる神崎は、報道部の部長でジャーナリスト志望。新聞記者の父親に対しては尊敬と反発の入り混じった複雑な感情を抱いている。正義感があり成績優秀だが、喜怒哀楽を表に出さないタイプ。クラスの空気を支配してしまうようなカリスマ性がある。

――生徒役の皆さんはオーディションで決まったとのことですが、オーディションはいかがでしたか?

僕はオーディションすごく好きで、受かる受からないではなく、とりあえず久々のオーディションだから楽しみという感じで行って、与えられた課題を自分なりにやりました。

――オーディションが好きな理由を教えてください。

楽しいなと思うのは、オーディションで渡される台本は前後がなく、自分次第でいくらでも好きなように解釈できるので、やったもん勝ちというか。それで「もう少しこういう風に変えてやってみてくれますか?」と言われたら、そっちでやればいいので。作品をやっているとそんなことは絶対にできないので、そこはすごく楽しいですね。オーディションが一番自由にお芝居できるところだと思います。

――受かるかどうかという勝負でもあり、そこにプレッシャーを感じる方も多いと思いますが、奥平さんは楽しさが勝つんですね。

受かる方がすごいことなので。そんな簡単に受かるんだったら誰でもやっているし、僕はあまり、受かる受からないを気にしないでやっているからかもしれません。

  • 奥平大兼
  • 奥平大兼
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――主演の松坂桃李さんとの共演はいかがですか?

松坂さん自身はものすごくラフな方で、御上先生と神崎は1話からバチバチなのである程度距離を置くのかなと思っていたのですが、全然そんなことなく気さくに話しかけてくださって、お芝居する上で緊張感はありますが、ガチガチに緊張しないで済むというのは、松坂さんの人柄のおかげだと思います。そして、セリフを噛まないんです。難しいことを言っているし、長いセリフを淡々としゃべっているんですけど、全然噛まなくてすごいなと思いますし、1対1でお芝居している時は本当に楽しいです。ご本人に聞いたわけではないのでわからないですが、テストと本番だとギアを変えられていて、神崎がいろんなことを受け止められるようにお芝居してくださるので、そのおかげでこちらも変化することがあって、リアルタイムにそういうのを感じながらお芝居できるというのはとても楽しいです。

――松坂さんによって引き出されるものがあるんですね。

そうですね。その場で感じることも変わってくるので、リアルタイムのやりとりで出てくる感情を大切に演じています。

――2025年最初のドラマとなりますが、2025年はどういう年にしたいですか?

今回北村一輝さんとご一緒させていただいて、共演するのは2回目なのですが、「自由にお芝居する感じがなくならないでほしい」とおっしゃってくださって。いろいろ現場を重ねていくうちに、技術的なことだったり、今この役はこういう風に見られた方がいいなとか、客観的にどう見えるか気にする機会が多かったのですが、それに捉われすぎるのもよくないと思ったので、2025年はそういうのを1回忘れてみようかなと思います。1回本当にピュアに、「もうちょっとどうにかならない?」と言われるぐらい自由にやってみてもいいのかなと思うので、そういう風に試してみたいです。

――俳優として、あえて目標を持たないようにしているのでしょうか。

モチベーションがないということでは全くないんですけど、こういう役をやりたいとかがなくて。最初の方は、この世界で生きていて経験することがない役を演じてみたいという思いがありましたが、いろんな役を経験することができたので、ほかにやりたい役というのがパッと浮かばないというのもあります。なので今は、その時その時にいただく役を僕なりに頑張って演じたいという思いです。

■奥平大兼
2003年9月20日生まれ、東京都出身。映画『MOTHER マザー』(20)で長澤まさみ演じる秋子の息子・周平役としてデビュー。同作にて第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の新人賞を総なめにした。主な出演作に映画『マイスモールランド』(22)、『あつい胸さわぎ』『ヴィレッジ』『君は放課後インソムニア』(23)、『PLAY!~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』『赤羽骨子のボディガード』『Cloud クラウド』(24)、ドラマ『恋する母たち』(20/TBS)、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(23/日本テレビ)、ディズニープラス『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』など。

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