多くのメーカーが機能や新規性で鎬(しのぎ)を削るスマートウォッチ。iPhoneユーザーにとっても選択肢はApple Watchだけではありません。今回は、Apple Watchユーザーである筆者が「HUAWEI Watch GT 5」を使ってみたので、その機能やApple Watchとの違いをご紹介します。

  • ステンレスのシルバーに、淡いブルーのバンドをセットにした「HUAWEI Watch GT 5」。この質感で33,880円(公式ストア価格)と、お買い得感のあるモデルです

HUAWEI Watch GT 5とは?

HUAWEのスマートウォッチは最先端機能と多彩なモデル展開で注目され、現在シェアを伸ばしています。フラッグシップの「HUAWEI WATCH Ultimate」、血圧計搭載で注目の「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」、フィットネス重視の「HUAWEI WATCH FIT」など、5つのシリーズがあります。

今回筆者が選んだ「HUAWEI Watch GT」シリーズは、丸い画面にクラシックな時計らしいデザインが特徴。さらに、本体の材質や一部機能に違いがある「GT Pro」と「GT」があり、それぞれ2サイズで展開されています。2024年発売の最新モデルは「GT 5 Pro」と「GT 5」です。

  • HUAWEIのスマートウォッチは機能やデザインの異なる5つのシリーズで展開

今回使用するのはGT 5の41mmモデル。ステンレス色のケースにエストラマー素材のバンドがセットになった「ブルー」を選択しました。レザーや繊維素材のバンドがセットになったものもありますが、今回はワークアウトで使うこと重視しました。

  • GT 5は46mmと41mmの2サイズ展開。それぞれ、男性向け・女性向けの印象を与えるデザインです。ちなみにGT 5 Pro は46mmと42mmで展開

Apple Watchと違って、小さいサイズが明確に女性向けのデザインになっています。エレガントなスマートウォッチを探している方は、HUAWEI Watch GT 5 Pro/GT 5をチェックすると気に入るものが見つかるかもしれません。

HUAWEI Watch GT 5のセットアップ

iPhoneでGT 5を使用するには「HUAWEI Health」アプリとのペアリングが必要です。簡単に手順をご紹介します。

  • App Storeから「HUAWEI Health」をダウンロード。アプリを開き、HUAWEI IDでログインします。または、アプリ上からIDを登録します。メールアドレス、または電話番号で登録が可能です

  • GT 5の電源を入れ、言語設定で「日本語」を選択。ペアリング可能な状態になります

  • 「HUAWEI Health」アプリに戻り、[デバイス]タブ→[デバイスを追加]をタップ。GT 5が検知されたら[接続]をタップします

  • GT 5の方で[チェック]をタップしてペアリング

  • 「HUAWEI Health」アプリの方でもペアリングをタップ。利用規約に同意します。「ヘルスケア」「カレンダー」「位置情報」等の連携を求める表示が出たら、必要に応じて許可します

Apple Watchのセットアップと比べると、アプリをダウンロードしたりIDを登録したりで手順が多くなりますが、難しい操作はありません。公式サイトにもわかりやすい説明があります。

iOSと連携する項目・しない項目

GT 5では、搭載されたセンサーによって身体のさまざまなデータを計測します。「HUAWEI Health」アプリを開くと、活動履歴のリングや心拍数、睡眠、血中酸素などを確認することができます。

  • アプリの「ヘルスケア」タブを開くと、さまざまな計測データを確認できます。健康管理のプランを作成し毎日のタスクをチェックする「Health Clovers」など、より積極的な取り組みに役立つ機能も

これらのデータは、iOSと連携することで「ヘルスケア」アプリにも保存されます。ただし、全てではありません。

  • 「HUAWEI Health」アプリからiOSに書き込まれる項目。例えば「活動履歴」リングのうち「ムーブ(消費カロリー)は連携されますが「エクササイズ」「スタンド」は反映されません。また、「睡眠」は睡眠時間のみが連携され、眠りの深さや「呼吸の乱れ」は反映されません

日常の活動量や運動の記録は「HUAWEI Health」アプリに蓄積される形になり、iOSの「アクティビティリング」や「フィットネス」アプリとは連携しません。

  • HUAWEIのウォッチで記録された活動量やワークアウトは「HUAWEI Health」で確認。iOSの「フィットネス」アプリには反映されません

バッテリーとワークアウト、豊富な文字盤がすごい

HUAWEI Watch GT 5はスペックにもある通り、バッテリー性能が非常に優秀です。バッテリー持続時間のスペック値は次のようになっています。

  • 通常使用で約7日間
  • ヘビーユースで約5日間
  • 常時点灯機能使用時で約3日間

実際に使用してみると、100%から使い始めて、24時間経過した時点の残量が87%でした。丸5日間(120時間)使ったところで23%になりました。

  • 今回は毎日ウォーキングをしたり、スクリーンショットを撮ったり、ファームウェアを更新したりしたので、ヘビーユースに該当すると言えるでしょう

充電なしで5日間使用できるのは非常に安心感があります。2〜3日の旅行なら充電器を持っていく必要はありませんね。今のところ最も多くバッテリーを消費するのは「ワークアウト」で、約30分で5%くらい消費します。

その「ワークアウト」アプリも非常に優秀です。丸い画面をうまく使ったレイアウトに必要な情報が見やすく配置され、文字もくっきり視認しやすいため、ペースや心拍数を把握しながら運動することができます。レベル別のトレーニングコース(インターバルランなど)も使用できるようなので、今後試してみたいと思います。

  • ケース右下のボタンでワークアウトが起動(他のアプリに設定することも可能)。ワークアウトの表示は大きくカラフルで、運動中の視認性も良好

文字盤の豊富さも嬉しいポイントです。HUAWEI Healthアプリ内に、公式だけでなくサードパーティ製も含めた文字盤のマーケットプレイスがあり、非常に多くの文字盤から選んで使うことができます。

  • 公式文字盤のほか、認定デザイナーによる文字盤も提供されており、有料・無料ともに豊富です。ケースが円形なので、アナログからデジタルまで腕時計らしいデザインがよく似合います

Apple Watchユーザーが使い始めに戸惑うポイント

優れた点がたくさんあるGT 5ですが、Apple Watchユーザーにとっては注意するべき違いがいくつかあります。

一つは、一部のアプリの通知が届かないことです。メッセージ、LINE、カレンダーなどは届きますが、それ以外のアプリの通知は届きません。プリインストールされているアプリ以外は追加できないため、メッセージやLINEへの返信機能なども使えません。

また、Macのロック解除ができないことや、Siriが使えない点も異なります。さらに、「ウォレット」のような電子マネーの機能もありません。

こうしたiPhoneの延長にあるような強い連携を求めるならApple Watchの方が向いているでしょう。しかしもう少し切り離して、デザイン製や健康管理デバイスとしての性能とコスパを重視するならHUAWEI Watch GT 5は非常にバランスのいいデバイスだと言えます。

このような違いも含めて、次回から各アプリや機能の使い方について詳しくご紹介していきます。