2017年8月にアイドルグループ・でんぱ組.incを脱退後、個人事務所を設立し、マルチに活動している最上もが。3月7日に開幕する舞台『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』で出産後初の女優業に挑む。プライベートでは2021年に第1子となる長女を出産し、シングルマザーとして子育てに励んでいる。娘の存在が自身の大きな原動力になっているそうで、アイドル時代に発症したうつ病が完治したわけではないが、自分の心ともうまく向き合えるようになってきているという。
2017年に心身のバランスが取れなくなったという理由でグループを脱退し、その後、「うつ病」と診断された最上。「アイドル時代はグループをどう大きくするかということをずっと悩み、グループのためだけに頑張ろうと生きていて、それで心身ともに疲れ果ててうつ病になってしまい、限界だと思って辞めて。自律神経失調症や適応障害などが一気に来た感じでした」と当時を振り返る。
出産後は産後うつに悩まされたそうで、「出産してからPMS(月経前症候群)が発症して、生理の1週間前とか絶望的な気持ちになってしまうんです。それが本当につらくて、すべてマイナスに捉えがちになっていました」と打ち明ける。
また、子育てのために仕事から離れざるを得ず、悩むこともあったという。
「出産してから表に出る仕事が減り、どんどんオワコンというのを感じるようになり、引退したと思っている人もいました。3年間でSNSのフォロワーも明らかに減って。そうすると自信が持てなくなるし、自己肯定感もどんどん落ちてしまい。もう表に出る仕事はやめた方がいいのかなと思う瞬間もたくさんありました」
だが、娘が保育園に通うようになってから仕事ができる時間が増えていき、「仕事が気分転換になって楽しい」と思えるようになり、娘のためにお金を稼ぐということも大きなモチベーションに。昨年スキンケアブランド「mrum's」(モルムズ)を立ち上げ、今年は女優業を再開させるなど、活動を活発化させている。
今の最上もがの新たな一面を見せていきたい
そして今後について「最上もがという自分自身の魅力って何だろうという部分と、ママであるという部分と、2つの軸で仕事をしていきたい」と抱負を述べ、「子供を産んでいろんな変化がありましたが、最上もが本来の強みをもう少し見せられたらいいなと思っています」と語る。
続けて、「最近ワクワクする打ち合わせをいっぱいしていて、もう1回ちゃんと頑張ろうってスイッチがまた入りました。2025年はいろいろします!」と力強く宣言。「今年のはじめには脱退のままでいたアイドルグループ『でんぱ組.inc』のエンディングライブで卒業式ができました。これは私の中でとても大きな出来事だったんです。2月は誕生日がありバースデーイベントをやるのですが、それだけでなく写真展も開催することにしました。何事も受け身でいるだけでは何も始まらないので、これからは今の最上もがの新たな一面を見せていこうと思っています」と目を輝かせる。
今年予定している活動は自分らしさを生かした活動だという。
「今35歳でもう少しで36歳になるのですが、自分の中では年齢を気にしてしまうことも多いんです。けれど、いろんな業界で活躍してきた方々と知り合ったときに褒められることが増えていて。『アートっぽい』『普通じゃない感がすごくある』と言ってもらったりして、私の思う世界観やほかのアーティストさんの世界観を大事にした最上もがを今後いろんな形で見せていけたらいいなと思っています」
その計画の中に歌手活動は入ってないとのことだが、「やりたいなとは思っています」と意欲。
「最近、双子VTuberのFUWAMOCOちゃんが『でんぱ組.inc曲縛り』という配信をされていて、私がCharaさんに作っていただいたソロ曲を歌っていて、私にしか表現できない歌があるかもしれない、と思ったり、純粋にまた歌いたい気持ちになりました」
女優業も積極的にやっていきたいと考えているようで、「子育てがあるので、スケジュールが合えばということになりますが、もともとお芝居は大好きなので、ぜひやりたいです」と熱く語る。
女優復帰作となる『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』では、飯窪春菜演じるアンジェラの母で魔法王国アルテナの理の女王役を務める。
「久しぶりのお芝居になるのでとても楽しみです。見に来てくださった方にとって最高の時間になるように頑張ります」