特に寒い北海道・東北ブロックには、ぽかぽか温まる鍋が多々あるが、ここで紹介するのは、北海道の鍋。「鮭がどんと入ってる!」と道民が嬉しそうに語る石狩鍋だ。
「味噌と鮭がからんでおいしい!あらも入ってますから!」何しろ、鮭を丸ごと一本買ってきて自分でさばくのだ。道民はとにかく鮭をよく食べる。
「熊と同じくらい食べてるから」と息巻く道民もいた。
秋田県からは、しょっつる鍋が登場。
鍋にハタハタを丸のまま何尾も入れて、秋田の魚醤、ハタハタを煮込んで作ったしょっつるで味付け。大鍋に大さじ一つで十分。ハタハタをハタハタで味付けした鍋だ。
お椀にすくうと、ハタハタにぶりこ(卵)がついている。これがまたおいしいんだって!
宮城県のせり鍋も忘れちゃいけない。「この時期しか食べれない!」と熱く語る宮城県民。
お店で出てきたのは、鶏肉がちょこっと添えられ、あとはどっさりせりが盛られた皿。
「鶏肉は出汁を出す付録。せりを食べる鍋」「おいしいですよ、爆発ですから!」
関東ブロックからも紹介するのは群馬県の、おっきりこみ!って、それなんだ?
ごぼうや大根などの根菜を中心に具だくさん!おいしそうなのはいいけど、これって山梨県のほうとうに似てない?群馬県民に聞くと「違うんですよ。かぼちゃは入らない!」って、そこ?
続いて北陸ブロックは、日本海の海の幸が生きた鍋が多い。だがここで紹介するのは、石川県のとり野菜みそ。
あるお宅の食卓に、白菜などの野菜と、豚肉、たらが並ぶ。大きな鍋が沸いているが、中はお湯?!すると「とり野菜みそ」と書かれたパッケージが登場し、鍋に入れている。とり野菜みそは、元祖・鍋の素なのだ。1973年発売で、半世紀も親しまれてきた。
「まんで(とても)野菜がうまなるわ」野菜がおいしくなるので「野菜が摂れる」から「とり野菜」なんだって。
そして関西ブロック、大阪府から「かにすき」をご紹介。
大阪でかにといえば、道頓堀のかに道楽!焼きがに、かに酢、かに脚造りとかにづくし。クライマックスはやはり、かにすき。「さっきのは前菜」とさんざんかにを食べた奥様がこともなげに言う。
中国・四国ブロックも鍋料理は豊富。肉の聖地、岡山県津山市のそずり鍋が登場。
「骨のまわりは出汁がよう出る。」
ご家庭で出てきたそずり鍋は、醤油と酒のおつゆにそずり肉と野菜がたくさん入っている。
「牛の骨の数だけあるのがそずり肉。牛一頭食べとんと一緒です」
そずり鍋のしめは、うどん。肉のうま味が滲みておいしいんだって。
「これを食べないと成仏できない」
九州・沖縄ブロックからは福岡県!もつ鍋やあら鍋も有名だが、水炊き!
「まずは出汁の味を確かめてそれから鍋。」「肉食いたくてたまらんけどなあ!」
まずスープだけ味わうのが福岡流なのだ。鶏ガラを煮込んだ白濁スープが重要!
ようやく骨付き肉が供される。これを食べると次のステップ、肉団子とキャベツなど野菜を鍋に投入。「白菜はスープが薄まるので」「食材が、スープを育てるんです!」
締めは雑炊でスープを味わい尽くす。福岡県の水炊きは、スープが命だった!