1月29日に自身初となるフォトエッセイ『透明を満たす』(講談社刊)を発売した元フジテレビアナウンサーの渡邊渚が1日、都内で行われた発売記念イベントに登場した。

  • 渡邊渚 (C)講談社

■自身初となるフォトエッセイ『透明を満たす』を発売

少し緊張した表情で登場した渡邊だったが、司会者からの「発売おめでとうございます」の言葉に笑みがこぼれた。

率直な感想を聞かれまだ実感は湧かないようだが、ようやく発売された安堵感と書き終えたことに「よくここまで頑張った!!」と自身を称える一幕があった。

5万字に及ぶ文章量を3週間ほどで書き上げたという。子供のころから書くことは好きで、毎日日記を書いていたことを明かし、本書の執筆に関してもこの1年半で経験した事や書き留めてきたことをまとめただけで、大変だったという感想は無いという。

本書はエッセイの他、本書の為に撮り下ろされたフォトパートで構成されている。フォトパートとエッセイパートがちぐはぐな感じにならないように各内容を意識して素で飾らない透明感ある写真に仕上がっているという。

PTSDだからこれが出来ないとか、写真を撮られることが出来ないと思いたくないし、思われたくもないと言い、誰でも笑顔になれると言う事を写真を通じて感じて欲しいと力強く語った。

■自分で納得して選択して人生を歩んでいってほしい

撮影自体は1日で行ったという。妹が帯同して和やかな雰囲気のなか行われたことを明かした。

お気に入りカットについて尋ねられると、そのカットの撮影時は雨が降っていたため、ライトにより夕日が差し込むような幻想的な瞬間を演出したと説明。そこには柔らかな眼差しでしっかりと前を向く渡邊渚が収められている。

読者から寄せられた感想の中で特に印象的なものは、「涙がとまらなかった」という言葉だったと話した。

本人は泣かせようと思っているわけではなく、体験した事や思ったことを書き留めただけと語ったが、それを悲しいと感じてくれる読者がいることが分かったとき自身が苦しんできた1年半を皆が受け止めてくれたように感じ、渡邊本人が救われた気持ちになったという。

逆境や病気、上手くいかない事、誰しもが持っている生きづらさを感じた時、元気になった渡邊渚を思い出してほしい、それをこのエッセイから受け止めて欲しい、そんな強い意志と使命感が発売への原動力になったようだ。続けて、自分で納得して選択して人生を歩んでいってほしいとの思いがあることを加えた。

■2025年の目標は恐れずになんにでもトライしていくこと

家族が読んだ感想を聞かれると、つらい思いをさせたのではないかとの心配もあったようだが、家族もまた涙を流したという。

いつもそばで寄り添ってくれた大親友の妹からも長文のメッセージをもらったといい、「なぎちゃんの生き方はかっこいい、憧れのお姉ちゃんだよ」と言葉を贈られ込み上げる感情と共に感謝の思いがあふれたようだ。

同書は決してメンタルヘルスに関することに悩んでいる人達だけに向けたものでもなく、同年代の女性にだけ伝えたいわけでもなく、誰しもが目を向けなければいけない大切なテーマが一文字一文字大切に、丁寧に綴られている。

最後に2025年の目標を聞かれ、恐れずになんにでもトライしていくこと、楽しいと思ったことにチャレンジしていくことを力強く語った。

  • 撮影:三宮幹史/『渡邊渚フォトエッセイ 透明を満たす』(講談社)

【編集部MEMO】
渡邊渚は1997年4月13日生まれ。新潟県出身。2020年にフジテレビにアナウンサーとして入社。2024年8月末に同局を退社し、以降はフリーランスとしてWebサイト等でのエッセイ執筆やモデル業、バレーボール関連のMCやメンタルヘルスにまつわる講演など、アナウンサーの肩書きを離れて多彩に活動している。