いよいよ19日に放送がスタートする松坂桃李主演のTBS系日曜劇場『御上先生』(毎週日曜21:00~)。本作を担当するのは『マイファミリー』や『VIVANT』、『アンチヒーロー』など話題作を世に送り出している飯田和孝プロデューサーだ。文科省の官僚が、エリートが集まる私立高校に赴任し「権力に侵された日本教育をぶっ壊す!?」というキャッチコピーに込めた思いとは――。飯田氏が、『VIVANT』以来、2度目となる松坂を主演に起用した理由や、松坂扮する御上孝の同僚でありライバル的な槙野恭介を演じる岡田将生の配役について語った。
つかみどころがない御上先生「松坂さんがぴったりだと…」
映画『新聞記者』の脚本を務めた詩森ろば氏とタッグを組んだオリジナル学園ドラマである『御上先生』。飯田氏は、以前から『3年B組金八先生』に憧れを抱き「いつか学園ものをやりたい」と思っていたと言い、「ちょうど2020年のコロナ禍で在宅ワークをしていたとき、あるアーティストさんの動画を見ていたんです。そこで高校生たちがすごく熱量を持って輝いているのを見て、こういう人たちが輝けるドラマを作りたいなと思った」と企画の発端を明かす。
文科省の官僚が教師として赴任するというアイデア。飯田氏は「ちょうど『ドラゴン桜』を企画している最中だったんです」と本企画のスタート時期を明かすと「『ドラゴン桜』のとき『大学受験の形が変わる』と言われ、結局変わらなかったといういきさつがありました。それはなぜかというと、現場の声を吸い上げ切れないから、変えたところで判断できないんじゃないかと、一向に前に進まない状況でした。それを鑑みて、詩森さんと社会派の要素を入れてようやく形になりました」と企画のあらましを語る。
そんな本作の主人公である“官僚教師”御上孝を演じるのが松坂だ。「松坂さんは『VIVANT』で初めてご一緒させていただいたのですが、普段はすごく柔らかい方なのに、役をまとうとすごく多面的に見える。演技力があるのはもちろんなのですが、ビジュアルを含めて得体の知れない感じがとてもお上手。松坂さんは御上先生について『とても愛のある人』と表現していますが、根底に愛がありつつ、どこかつかみどころがないキャラクターにしたかったので、松坂さんがぴったりだと思っていました」。
企画を立ち上げた段階から、御上先生のイメージキャスト欄には「松坂桃李」と入っていたと明かし、「ちょうど『VIVANT』の後ぐらいか……。やっていただけたらいいなという思いでオファーしました」と当時を振り返る。
脚本を担当した詩森氏は、松坂主演の映画『新聞記者』も担当しているが、飯田氏は「脚本が詩森さんだから松坂さんをオファーしたというわけではないんです」と述べ、「『松坂さんがいいと思うのですが』と提案した際、詩森さんも『松坂さん、いいですね』とおっしゃってくださり、そこから松坂さんをイメージして御上先生というキャラクターを作り上げてくださったような気がします」と経緯を説明した。
「つかみどころがない」という御上。飯田氏は「どのぐらい人間味を出すか」という部分を松坂と話し合ったという。台本作成中は「あくまで表情を出さない」ことが前提だったが、松坂とのディスカッションのなかで「生徒と対峙するなかで、御上の心のなかにある愛情をどこまでにじませるか」という繊細な芝居にこだわっているという。
松坂桃李&岡田将生だからこそ表現できる同期の関係性
また17日に、文科省での松坂の同僚であり、ライバル的な関係となる槙野を岡田将生が務めることが発表された。
「岡田さんも、初期の段階からイメージキャストとして考えていました。槙野という役は、同期という立場の人って、皆さんいると思うのですが、ライバルにもなり、友にもなり、かなり大事な役柄で、年齢的なことも考えると、岡田さんしか正直頭に浮かばなかったんです」。
松坂と岡田と言えば、2011年公開の映画『アントキノイノチ』で初共演すると、日本テレビ系連続ドラマで映画化もされた『ゆとりですがなにか』でも近い役柄を演じ、プライベートでも仲が良い関係であることは有名だ。
「2人とも達者な俳優さんなので、しっかり空気感は出せるのですが、敵対していても嫉妬をしていても、それを凌駕するような根っこの部分の信頼みたいなものは、この2人ならではのものだと思うんです。僕は『小さな巨人』で岡田さんとご一緒しているのですが、そのときの役への向き合い方や姿勢がとても好きでした」。
さらに飯田氏は「僕は『半沢直樹』のパート1のとき携わっているのですが、半沢と近藤直弼(滝藤賢一)、渡真利忍(及川光博)の関係性がドラマを支えていたと思うんです。その意味で、槙野という役は本当に重要だと思っていたので、ぜひ岡田さんにお願いしたかったんです」とオファーの理由を説明していた。
「教育を通して生きることや、社会のことを伝えている」とドラマに込めたメッセージを語った飯田氏。主題歌情報はオンエアで解禁に。「鷺巣詩郎さんが劇伴を担当すると発表されているので、主題歌はないと思ってらっしゃる方がいるかと思いますが、当日ぜひ楽しみにしてください」と期待を煽っていた。
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