フジテレビと同局の動画配信サービス・FODで、きょう16日から放送・配信されるドラマ『私は整形美人』(毎週木曜25:25~)。整形で顔を変えるほど外見に強いコンプレックスを抱き、整形してもなお、常に人の目を気にしてしまう片桐美玲(石井杏奈)が、超クールな同級生・坂口慧(本田響矢)との関係の中で、容姿への劣等感、承認欲求、恋愛、将来の夢など、若者が抱える等身大の悩みに向き合いながら、幸せになるために奮闘する作品だ。
このほど、石井と本田にインタビュー。息ぴったりの掛け合いで今作に挑む心境のほか、互いの印象、そして“知られざる魅力”を語り合ってくれた――。
「良い意味で」「良くも悪くも」に引っかかる
――お二人の共演自体はドラマ『ブラック・ガールズ・トーク』(テレビ東京)以来になりますか?
石井:そうですね。でも、たしか、あの時は響矢くんと一緒の撮影シーンがなくて…。
本田:現場ですれ違ったくらいだったよね?
石井:そうそう。なので、お芝居をするのは今回が初めてです。
――お互いにどんな印象をお持ちでした?
石井:響矢くんの第一印象は……クールで無口そう。すごく壁がある人だと思いました。
――つまり、最初は本田さんに対して、あまりいいイメージがなかった、と…(笑)?
石井:(笑)。いやいや! そんなことないです(汗)。「いい意味で」クール(笑)!
本田:「クール」に「いい意味で」ってつけるのさすがに無理じゃない(笑)?
石井:いけるいける(笑)! だって、最初にこのお話を頂いた時、「坂口慧役には、本田響矢くんが一番似合いそうだよね」と、マネージャーさんと話していたくらいなので。本当に、響矢くんは、“坂口慧くん”みたいなイメージでした。実際は、全然違ったけど…(笑)
本田:アハハ(笑)。僕、慧とは全然違うんですよ。
――そうなんですね! では、本田さんは石井さんにどんなイメージを?
本田:石井さんは、すごく真っすぐで真面目な印象がありました。その印象自体は、良くも悪くも変わってないです。
石井:良くも“悪く”も…?
本田:いや、悪くはないか(笑)。でも、最初はてっきり優等生タイプの真面目で静かな方なのかなと思っていたら、意外にもすごくノリがいい方で。「これはいける口かも…!?」と思って、試しにちょっとボケてみたら、思った以上に僕のしょうもないボケをすべて拾って、ちゃんとツッコんでくれたんですよ! まるで、ベテランの芸人さんみたいに(笑)
石井:本当に、しょうもない大ボケをかましていました。響矢くんはいざお芝居となると真剣に取り組むのですが、基本的には現場を楽しむタイプらしくて。とにかくふざけるのが好きな人なんですよ。現場のムードメーカーは、本田&長妻(怜央/向井役)コンビでしたね。この2人がいるといろんな方向に話がとっ散らかってしまうので。それをみんなが必死でまとめようとする過程で、またさらなる笑いが生まれる…という感じで。とはいえ、今回のドラマは主に大学生同士のお話なので。役の設定より実年齢が上の人たちの方が多かったので、本田&長妻コンビのおかげでみんなが一気に学生ノリの和気あいあいとした空気になれました。物語としては、決して楽しい場面ばかりではないですが、お芝居をする上ではその関係性がプラスに働いた気がします。
コンプレックスを抱えている人も勇気をもらえる
――シリアスなテーマをコメディタッチで描いているドラマではありますが、時折「え!? ホラー?」と思わされるような人間の闇の要素が垣間見えるところも斬新でした。お二人は、そもそもドラマの原作コミックや韓国版のドラマについて、ご存じでしたか?
石井:私は、今回のお話を頂いてこの作品を初めて知ったのですが、タイトルからして、すごくいまの時代に合った作品ですよね。ネガティブな要素もポップに描かれていて前向きになれますし、コンプレックスを抱えている人も勇気をもらえる作品だなと思いました。
本田:僕は韓国でドラマ化されている上に、原作コミックもすごく人気があるのを知っていたので、最初は少しプレッシャーを感じていた部分もありました。ただ、日本版のドラマの脚本は、韓国版よりかなりコンパクトになっていて、より原作に忠実な印象を受けたので、演じる役柄についてしっかり解釈した上で、自分なりのアプローチで臨もうと思いました。
――役を演じる上で心がけたことは?
石井:美玲の場合は、整形をきっかけに、改めて自分の気持ちと向き合って日々を過ごそうと努力している。そういう前向きな子であることを大切にしたくて、日常生活を送る上でも「もし美玲ならどんな選択をするかな?」と、その都度考えながら役作りしていきました。
本田:僕が演じた慧は、ただそこに黙って立っているだけなのに、その一挙手一投足を目で追わずにはいられない。そんな“人を惹きつけてるカッコいいオーラ”みたいなものを、僕自身も何とか常に出せるようにしておきたくて…(笑)。僕なりに、あれこれと試行錯誤してみた結果、動きにも表情にも一切無駄がないところが、きっと慧が人目を惹かれずにはいられないポイントなのかなと思って。まばたきをなるべく少なくしようと意識してました。
――久保田紗友さん演じる“穂波”のキャラクターも、なかなか一筋縄ではいかない強烈な人物でしたが、もしも実生活で身近に穂波のような人がいたら、お二人はどう対応しますか?
本田:慧は最初から穂波のちょっとねじ曲がった本性を見抜いていましたけど、僕自身は周りの男子たちと同じように普通に「かわいいな~」と思って見ているタイプかもしれない(笑)
石井:穂波にコロッと騙されちゃう派だ(笑)!
本田:うん。きっと簡単に騙される(笑)
――(笑)。石井さんなら、穂波の本性を見抜けました?
石井:私の場合は、美玲としてずっと近くで穂波の心の動きを見ていたせいもありますが、たとえ途中で穂波の本性を見抜いても、あえて気づかない素振りで穂波の傍にいてあげたい。撮影中も、穂波がだんだん本性を現していくにつれて、「きっと彼女には愛されたくても愛されなかった過去があるから、こんなふうにしか振る舞えないなんだろうな」「この子を抱きしめてあげたい」と思いながら見ていたんです。なので、むしろ私は積極的に騙されたい(笑)! というか、騙されてあげたいです。
――なるほど。とても深いお話ですね。