ムロツヨシ「人ってウケすぎると調子に乗るので…」舞台上の経験から大切にしていることとは?
女優の永野芽郁(ながの・めい)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「三菱重工 presents 永野芽郁 明日はどこ行こ?」(毎週土曜11:30~11:55)。「チャレンジ」をキーワードに、永野がリスナーと一緒に“新たな世界に一歩踏み出す”ヒントを探るラジオプログラムです。ゲストやリスナーの「人生が動き出した瞬間」について伺っていきます。

1月11日(土)、18日(土)の放送ゲストは、俳優のムロツヨシさん。共演した日本テレビのドラマ「親バカ青春白書」(2020年)での“親子役”をきっかけにプライベートでも親交のある2人。11日の放送では、ムロさんが「俳優業で大切にしていること」などについて語りました。

永野芽郁、ムロツヨシさん

永野:この番組ではお迎えしたゲストに人生が動き出した瞬間や、人生の転機となったエピソードを聞いています。今回は「教えて! ムロ先輩が大切にしている柱」をテーマにお話を伺っていきます。ムロさんは長く役者さんのお仕事をされていて、これまでに数多くのドラマ・映画・舞台に出演されています。俳優として、どんなことを大切にしてお仕事されてきたのか、「〇〇力」という言葉で教えてもらおうと思います。

ムロ:恥ずかしいねえ~!

永野:普段、(お会いしたときに)そういうお話しないですもんね。

ムロ:芽郁さんこと“娘”のラジオに出ることになったら、ちゃんとアンケートが届いてビックリした!

永野:お忙しいところ協力いただいてすみません! それでは、早速1つ目を教えてください。

【ムロさんが俳優業で大切にしていること】

その①「ゼロ力」

ムロ:私は「ゼロにする」という言葉をよく使うのですが、舞台上でミスをしてしまったり、笑い声が来るはずだったのに来ないときってありますよね。人はそういうときに、動揺するのですが、お客さんはその動揺を見ると不安になって、舞台上に立っている人を信用しなくなるんです。それを繰り返していくなかで、一番大事なのは動揺しないこと。もしくは、動揺しても、すぐミスをする前の状態に戻すこと。

永野:ほう!

ムロ:普通の状態をゼロだとした場合、すぐゼロに戻せば「今のはスベったんじゃないんだ」「セリフを噛んでいなかったんだ」とお客さんはいい勘違いをしてくれるんです。そうすると信頼を少しずつ積み重ねながら、舞台上でおこなわれている表現が進んでいくので大事にしています。

永野:なるほど!

ムロ:逆に言うと、人ってウケすぎると調子に乗るんですよ。「どうだ!」ってなった瞬間にお客さんは引くので、良いときでも、いい感じでゼロに戻します。そういう舞台上の経験を、映像(の仕事)で出させてもらったときも(活用する)。そんなゼロ力を大事にしています。

永野:ムロさんがゼロ力に気付いたのはいつぐらいですか?

ムロ:20歳ぐらいから舞台に立って6年後ですかね。そこからやっとお客さんが「あの人は誰だ!?」ってなりました。

永野:気付いたときは自分でも「こういうことか」と腑に落ちましたか?

ムロ:うん。「最低限、早くこれに気付くべきだった」というのはありましたね。それで、やっと舞台に立つことが楽しくなった。あと、他の言葉でマヒさせるっていうのもある。恥ずかしい、悔しい、嬉しい、楽しいをマヒさせる。舞台は毎日続くので、それをゼロにする。マヒさせるっていうのは、自分のなかでよく言い聞かせていますね。

永野:すごい!

ムロ:これが(俳優の仕事をするうえ)で大事にしている“力”かも? 笑えるところが一切なかったね(笑)。

永野:いえ、笑いは大丈夫です(笑)!

ムロ:僕は逆にそれがないと不安になりますから(笑)。

永野:“ゼロ力”です!

番組では他にも、永野とムロさんがプライベートでの親交を語る場面もありました。

<番組概要>

番組名:三菱重工 presents 永野芽郁 明日はどこ行こ?

放送日時:毎週土曜 11:30~11:55

パーソナリティ:永野芽郁

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dokoiko/