レクサスがオフロードの名を冠したモデルをラインアップする……ラグジュアリーブランドの新たな挑戦に呼応したのが、4WD・SUVカスタムのフロントランナー、JAOS(ジャオス)。フルモデルチェンジするレクサスLX600の外装パーツの製品開発を委ねられた同社では東京オートサロン2022でレクサスLX600オフロードJAOS ver.を発表。
さらに2015年の創業30周年を機に結成された「TEAM JAOS」がLX600オフロードをベースにしたレースカーで北米大陸最大級のデザートレース、BAJA1000へのチャレンジを表明。ファーストステージのBAJAチャレンジは3カ年計画で、初年度はリタイヤ、2年目は全行程を走破、3年目で目標だったストックフルクラス(2輪または4輪駆動のピックアップトラック、もしくはSUVが参戦可能な市販車無改造クラス)で優勝を成し遂げた。
凱旋帰国した直後の東京オートサロン2025には、能戸知徳選手が約29時間不眠不休でソロドライブし、総出走台数282台のなかで完走が179台(完走率63%)という過酷極まるBAJAを走り抜いたレクサスLX600オフロードTEAM JAOS2024 Ver.がアンダーガードを模った優勝盾やメダルとともに展示された。
その隣には新たなBAJA1000参戦マシンとなるレクサスGX550hオーバートレイルをベースにした「レクサスGX550hオーバートレイルTEAM JAOS2025 Ver.(プロトタイプ)」が並べられた。
カーボンニュートラルの時代を見据えて、BAJA参戦マシンでは異例のハイブリッド4WDを選択したTEAM JAOS。新たに始動したセカンドステージのBAJA1000参戦3カ年計画のコンセプトは「The Challenge of Going Carbon Neutral」。環境負荷を減らしながら、過酷なオフロードレースでハイブリッドがどのぐらいのポテンシャルを発揮できるのか。未知の領域に踏み込むチャレンジは、まさにジャオスのスローガンである「Experience a New Adventure(新たな冒険の体験)」そのもの。ここから得られる経験・知見を人材育成や商品開発につなげていく。
総走行距離約1000マイル(約1600㎞)をスタートからゴールまでノンストップで駆け抜ける過酷なオフロードレースを、ドライバー無交代のアイアンマンスタイルでの完走&クラス優勝を果たした能戸知徳選手(左)と、TEAM JAOS監督でジャオス代表の赤星大二郎氏(右)。
1985(昭和60)年の創立から2025年4月1日で40周年になるのを記念した東京オートサロンのブースでスポットライトを浴びる、レクサスGX550hオーバートレイルTEAM JAOS2025 Ver.。すでにBAJA1000参戦に向けて迫力のモディファイが施されているが、能戸選手が走り込みを行い、TEAM JAOSの活動を支えるパートナー企業と協力して開発を進めていく。
BAJA参戦マシンと一緒に展示された、トライトンジャオススタイル(左)とランドクルーザー250ZXファーストエディションジャオススタイル(右)。カヤバのショックアブソーバーにニッパツのばねを組み合わせたサスペンション、TOYO TIREのオープンカントリー、エンケイと共同開発したアルミホイールなど、BAJAのノウハウがジャオスのカスタムパーツに生かされる。
都会にも溶け込む洗練されたスタイリングのなかにもオフロードの「土埃」を感じさせるジャオススタイルでコーディネートしたランドクルーザー250、300、70の各モデルを展示。オフロードレースで鍛えられた本物志向のパーツが揃う。
<文と写真=湯目由明>