きょう30日にスタートする連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の脚本を手掛けている根本ノンジ氏にインタビュー。平成時代のギャルが栄養士となる物語を描く思いを聞いた。

連続テレビ小説『おむすび』メインビジュアル

連続テレビ小説(朝ドラ)第111作となる『おむすび』は、平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)がギャル文化と出会い、やがて栄養士として、“縁・人・未来”と大切なものを次々と結んでいく物語。結はどんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、激動の平成・令和を思いきり楽しく、時に悩みながらもパワフルに突き進む。

根本氏は、ギャルを主人公にした物語で新しい朝ドラを目指している。

「平成の頃のギャルは、今我々が描いているクリーンでいい子だけではない側面もあったので、悪いイメージを持たれる可能性もあるなと思いましたが、それを超えるパワフルな力強さが彼女たちにはあるなと。失われた30年と言われている平成の時代を肩で風を切って颯爽と厚底ブーツで歩いていた彼女たちの物語をきちんと描いた方が、新しい朝ドラになるのではないかと思い、あえて挑戦してみようと思いました」

ギャルについて調べる中で、本作の考証も担当している“パラパラ界の神”と言われたギャルのカリスマのルミリンゴを取材し、ギャルのポジティブさを感じたという。

「ポジティブを押し付けるではなく、自分たちがポジティブに楽しんでいるから、周りが明るくなっていく。周りに与える影響がすごいなと。彼女たちを見ていると元気になれるんです」

物語は2004年から始まり、ギャルブームが下火になりかけてきた時代を描いていく。

「そっちの方が面白いなと。ギャルが全盛期の時よりも、ちょっと下火になってもやり続けている子たちが今に通ずるなと思ったので、あえて下火になりかけているところから始めようと思いました。ブームの途中からヤンキーになる子と、ギャルをおしゃれにつなげている子で分かれていたので、一番そこがいいかなと。ギャルを貫いている人たちの方がかっこいいし面白いし、彼女たちを応援したくなるなと思ったので、そちらを取り上げるようにしました」

ギャルブームの頃、根本氏自身は20代。「ギャルの人たちと接することもなかったので、街でたむろっていて怖いなと。ビクビクしていた記憶があります(笑)」と当時のギャルの印象を述べ、「自分が若い頃は、ギャルの子たちのバックボーンなんて知らないで、単にたむろっているというイメージでしたが、大人になるにつれて元ギャルだった人に会ったり、見ていくうちに、普通の子だったり、いろんな事情を抱えた子だったんだなと感じました」と徐々に印象が変わったという。

もちろんギャルの格好だけではなく、ギャルマインドを大事に描いていくという。

「格好ではなく、生き方や悩みへの向き合い方がギャルらしくなっているように表現していくようにしています。それは、前向きだったり、どんなにつらい状況でも、明るく何とかなるっしょ! とか、周りを明るくするとか、そういうような表現で使っています」