◆注目ホラー作家の新作が発売!
背筋さんは、昨年Web小説サイト「カクヨム」に掲載した「近畿地方のある場所について」が話題となり書籍化。以降、ホラー作家の新たな旗手として注目を集めています。
れなちが背筋さんのことを知ったのは、自身が表紙をつとめた「小説現代」(講談社)の2023年8・9月合併号。そこには31人によるホラー掌編全59編が掲載されていましたが「背筋さんの作品は一番イヤでした、いい意味で(笑)」と明かします。
そんな背筋さんの新作「穢れた聖地巡礼について」が9月3日(火)に発売。本作について、「前作と違ってキャラクターを立てたり、人が考えている内面にフォーカスした作品を担当編集者さんからご提案いただいて。そこを意識して書いてみようとキャラクターを作り上げました」と解説します。
さらに「(メインキャラクターの3人は)イチから作りあげたというよりは、私のなかの一面を切り出したというか、“こういう性格は、こういうふうに話すよね”みたいな感じで、あまり作り込まずに書いていった感じです」とも。
ちなみに、ホラーが苦手なれなちは今作を読むために、あえて午後3時にファミレスに入って読んだそうですが、今作は舞台がファミレスだったため「大不正解でした(笑)」と告白。すると、背筋さんは「前作、今作と書いているときに思ったのは、怖いものを表現するうえで日常に接近しているほど怖いなと。ある種、逃げ道のない書き方をさせていただいているので(読む場所の)正解があったら、そこを逃していたことになるので、それはそれで私の手落ちなんです」と語ります。
◆深夜の怪奇現象よりも怖いものとは?
背筋さんは基本的に自宅で執筆するそうですが、「コーヒーを飲みながら外で作業するのに憧れるんですけど、いかんせんマルチタスクができないというか。静かな環境のほうが集中できるんです」とのこと。また、夜型人間で深夜に作業することが多いと言い、「家で何かあったりしませんか?」とれなちが心配すると、背筋さんは「多分、何か起きても気付かないと思います。そもそも“締め切りに間に合うか”とか、違う恐怖に駆られていることが多いので」と苦笑い。
そうして完成した背筋さんの書籍には、本ならではの仕掛けが毎回施されています。「もともと私自身、本や小説が好きなので、せっかくなら本でしかできない表現、読書の体験の幅を広げるようなことができたらいいなと思って。今回も編集さんに協力していただき、ちょっとした仕掛けが作れたのは良かったですね」と振り返ります。
そして最後に、れなちが「ホラー以外の作品を書く予定はありますか?」と伺うと、背筋さんは「どうかな……やっぱり、自分はホラーが好きなので、自然とホラーばかりになっちゃう気配はありますね(笑)」と話していました。
<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/