元日本テレビアナウンサーで、同志社大学助教の桝太一氏が、7月15日~10月9日に東京・国立科学博物館で開催される特別展「海 ―生命のみなもと―」で公式ナビゲーターを務める。「子供の頃からずっと好奇心が欲しいタイプ」と自身のことを語った桝氏。知らないものへの探求心は、大人になり、家族をもっても衰えることがないという――。

  • 桝太一

同展は、地球上のあらゆる生命のみなもととなる海を「海と生命のはじまり」、「海と生き物のつながり」、「海からのめぐみ」、「海との共存、そして未来へ」という4つの章から迫った特別展で、桝氏は公式ナビゲーターという役割を果たす。

「もともと博物館に行って音声ガイドをいつも借りているような人間だったので、まさか自分がそちら側に回るとは思ってもいませんでした。僕のなかでは、国立科学博物館の特別展に関われたというのは、夢が一つ叶ったような感覚なんです。しかも僕が最も好きで、人生で関わってきた海というテーマの特別展だったので、お話を聞いたときは、本当に『ありがとうございます』という気持ちでした」

ずっと好きだったという海。その理由について「人間の想像をとんでもない角度から超えてくる」と語った桝氏。

「今は情報が簡単に手に入る時代になってきているので、全部わかった気でいることが多いと思います。例えば世界中のことも検索したり、Googleマップを見れば行った気になれるし、映像を観れば知った気になれる。でも海というのは、いまだに『嘘でしょ』と思うことが多々あるんです。ダイオウイカやデメニギス、メガマウスなんて、ちょっとびっくりしますよね。地球は僕らの想像の外にあるということを一番強く認識させてくれるのが海なんです」

桝氏の原動力となっているのが、「知らないこと」を「知りたい」と思う心。それはこれまでの人生に一貫しているというのだ。

「僕はずっと好奇心が欲しい人というか、知らないことがずっとあってほしいタイプなんです。それは子供の頃からまったく変わっていない。以前『ザ!鉄腕!DASH!!』という番組から子供の頃の映像を貸してほしいと言われて、母親に頼んで出してもらったんです。それを見たら、自分でも悲しくなるぐらい、いまと同じテンションで生物を探しているんです(笑)」

そして自身のこうした思いは、家族にもしっかりと伝えたいと思っているという。

「個人的に僕は娘にも『好奇心があればたいがい人生は最後まで楽しいよ』とずっと言い続けています。今は突拍子もない考えは蓋をしてしまうことが多いと思うんです。でも、そのなかから、疑問に思ったことを『知りたい』と思う気持ちは、自分でも大切にしていることですし、この特別展でも、子供たちがはじめて海に触れて、感じたことを大切にしていただけたらと思っています」