ベティスのファン・サポーターに別れを告げたホアキン [写真]=Getty Images

 2022-23シーズン限りでの現役引退を表明しているベティスの元スペイン代表MFホアキン・サンチェスが、自身の現役ラストマッチを終えた。

 ラ・リーガ第38節が4日に行われ、ベティスはバレンシアとの一戦を1-1のドローで終えた。今季のラ・リーガでは6位フィニッシュとなり、来季もヨーロッパリーグ(EL)に出場することが決まっている。同試合にはキックオフの笛と同時にピッチに立っている“背番号17”の姿があった。ホアキンはラ・リーガ第10節カディス戦以来となる今季2度目のスタメン出場。公式戦通算で見ても今季10度目の先発となり、キャプテンマークを巻いて60分までプレーした。

 同試合に出場したことで、ホアキンのラ・リーガ1部通算出場試合数は「622」に到達。その内訳はベティスで「407」、バレンシアで「158」、マラガで「57」となっている。この出場試合数は、ラ・リーガのフィールドプレーヤーとしては歴代最多の数字に。GKを含めてもかつてアスレティック・ビルバオやバルセロナなどで活躍した元スペイン代表GKアンドニ・スビサレッタ氏と並んで歴代最多タイの出場試合数となっている。

 試合後、ホアキンは『モビスタール・プルス』のフラッシュインタビューにて「何よりも特別で美しい日になった。仲間、家族、そして僕にすべてを与えてくれたクラブと共にこの日を迎えることができた。今の自分があるのは間違いなくベティスのおかげなんだ」と語った。最終的には本拠地『ベニート・ビジャマリン』でスパイクを脱ぐこととなったが、「素晴らしい結末だった。ベティスで引退するという夢が叶ったんだ。僕の仲間、家族、ベティコス(ベティスのファン・サポーターの愛称)のみんなに見守られながら、僕の家でね。これ以上望むものなんて何もないさ」と話している。

 さらに、ホアキンは常に近くでサポートしてくれた家族への愛情を表現。「妻、娘、両親、兄弟、彼らは僕のサッカー選手としての物語の一部なんだ」と発しただけでなく「僕という人間が23年間生きてきた一部でもある。彼らのおかげで、僕はベティスのホアキンであり続けられた」と感謝の言葉を述べた。

 試合終了後、ベティコスからの大声援と拍手を受けて涙ぐむ場面もあったが、「僕にはすべてがリアルに伝わってきて、感極まってしまったんだ。ベティコスのみんなが『キャプテン』と、僕の名前を叫んでくれているのを耳にして、数々の美しい思い出が頭を駆け巡った。気が付けば目に涙が浮かんでいた。自分を抑えようと努力したんだけどね。そう簡単なことではなかったよ」と正直に明かしている。最後には生涯ベティコとして今後のクラブを見守っていくことを約束した。

「ベティスのファン・サポーターみんなから愛され、称えられ、数多くの時間を楽しむことができた。僕はこれからも一生みんなの側にいる。この気持ちをこれからも大事にし続けるよ」

【動画】ビジャマリンの大声援を受けてホアキンがピッチを後に