カンテレではきょう19日に、前明石市長・泉房穂氏に密着したドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント 泉と房穂 やさしい明石の暴言王』(25:25~※関西ローカル)を放送する。

  • 泉房穂氏

2011年の初当選から12年間明石市長を務めた泉氏。2019年に職員への暴言で明石市長を一度辞職したが、5000通の署名を受けて市長選に再出馬、対立候補の3倍の票を得て圧勝した。子どもに対する“5つの無料化”や全国初の施策を連発し、10年連続の人口増を達成するなど、“やさしい明石”の立役者になった一方で、市政の進め方を巡る議会との対立や暴言問題が度々報じられた。そして昨年10月に記念式典前に議員たちへ放った暴言が引き金となり、政治家引退を表明した。その後11月には「明石をより良い街にしていくためには、議会を変えるべきだ」と主張、議会議員を公募すると発表して、“明石市民の会”を立ち上げる。結果、市長、県議会議員、市議会議員に送り出した7人全員をすさまじい得票数で当選させた。

子どもの頃目の当たりにした冷たい社会に対して、復讐を誓った人間“房穂”と、愛する故郷のためにがむしゃらに突き進む政治家“泉”。胸にあるのは復讐心と愛、相反する感情だ。今回は4年前『ザ・ドキュメント 舌禍~「暴言」市長は圧勝した』を制作したディレクターが再取材。選挙で議会を変えようとする泉氏とその渦に巻き込まれた人々の半年間を追った。

語りを担当する講談師の玉田玉秀斎は、本ドキュメンタリーについて「講談は、人の人生を語る、人生の選択の瞬間を描くものですが、まさにこの泉前市長の人生の選択が見えて、楽しかったですね。心を動かすのが芸能の基本なので、そういう意味では非常に興味深い方でした。講談になる人生だなと思いました。もし戦国時代に生まれていたらすごい武将になっていたかもしれませんね」と話し「市民からしたら、とてつもなく良い市長だったのが、議会の人から見たら、とてつもなくたまらない人。昔の仲間からしても、まるで裏切られたかのように思う。同じ人なのかと思いますよね。でも、多分それが世の中で、僕たちって結果的に一面しか見れないんだな。多面的には、人というものは見れないし、世界を見れないんだなっていうことを、この番組を見て、感じていただきたいですね」と番組の見どころをアピールした。