2022年の最新の調査によると、一人暮らし(単身者)のうち貯蓄が1000万円以上ある人は、なんと21.3%もいるそう! こちらは60代、70代の人も含めた数字です。では、20代~50代の場合はどうでしょうか。

◆20代~50代の一人暮らしで、貯蓄1000万円以上の割合は?

「1000万円以上貯蓄がある人」は、どれくらいいるのでしょうか。

※扱っているデータは、正しくは「金融資産保有額」ですが、当記事ではまとめて「貯蓄」と表記します。また、例えば翌月のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」(2022年)によると、「単身者」全体のうち、1000万円以上貯蓄がある人はなんと21.3%もいるという結果です。「5人に1人も?」と驚くような数字ですが、60代、70代の人も含まれているデータです。

今回の記事では、20代~50代の一人暮らしの人(単身者)に絞って、1000万円以上貯蓄の人がどれくらいの割合かを、年収別に紹介します(データをもとに、ガイドが再計算しています)。

◆「20代の単身者」で貯蓄1000万円以上の人の割合は?

・年収300万円未満……0.4%

・年収300万~500万円未満……2.3%

・年収500万~750万円未満……17.6%

・年収750万~1000万円未満……(全体の回答者10人未満のため除外)

・年収1000万~1200万円未満……(同上)

・年収1200万円以上……(同上)

20代の一人暮らしで1000万円以上貯蓄がある人は、年収300万~500万円未満の人では100人に2、3人の割合、年収500万~750万円未満の人では、なんと5、6人に1人の割合という結果です。

ただし、貯蓄の中央値(多い人と少ない人から数えてちょうど真ん中になる人の値)を見てみると、年収300万~500万円未満では「100万円」という回答なので、多くの人が100万円くらいの貯蓄額の人が多いと思ってよいでしょう。

“20代”といっても、22歳と29歳とでは貯蓄に大きな開きがありますが、1000万円以上の貯蓄者も意外といることには驚きですね。

◆「30代の単身者」で貯蓄1000万円以上の人の割合は?

・年収300万円未満……4.2%

・年収300万~500万円未満……17.9%

・年収500万~750万円未満……30.9%

・年収750万~1000万円未満……(全体の回答者10人未満のため除外)

・年収1000万~1200万円未満……(同上)

・年収1200万円以上……(同上)

30代の一人暮らしでは、年収300万~500万円未満の人は1、2割ほどが、年収500万~750万円未満の人は3、4人に1人が、1000万円以上貯蓄があると答えています。1000万円以上の貯蓄者が、実はあなたのまわりにもいるかもしれません。

◆「40代の単身者」で貯蓄1000万円以上の人の割合は?

・年収300万円未満……8.1%

・年収300万~500万円未満……23.6%

・年収500万~750万円未満……37.8%

・年収750万~1000万円未満……66.7%

・年収1000万~1200万円未満……(全体の回答者10人未満のため除外)

・年収1200万円以上……(同上)

40代の一人暮らしでは、年収300万~500万円未満の人は約4人に1人が、年収500万~750万円未満の人は4割ほどが、年収750万~1000万円未満の人は6割ほどが、1000万円以上の貯蓄があると答えています。

30代に比べると1000万円以上の貯蓄者が増え、順調に貯蓄が積みあがっていることがうかがえます。

この結果は、40代の方にとって刺激になるのではないでしょうか。

◆「50代の単身者」で貯蓄1000万円以上の人の割合は?

・年収300万円未満……13.4%

・年収300万~500万円未満……21.8%

・年収500万~750万円未満……52.5%

・年収750万~1000万円未満……80.0%

・年収1000万~1200万円未満……(全体の回答者10人未満のため除外)

・年収1200万円以上……(同上)

50代の一人暮らしでは、全体的に1000万円以上貯蓄がある人が増えています。特に、年収500万円以上になると、過半数が1000万円以上の貯蓄があることがわかります。定年がだんだん見えてくる年代となり、老後のことを考えて、貯蓄に意識が向いている人も多いと思われます。

以上、一人暮らしで1000万円以上の貯蓄がある人のデータをお伝えしました。

一人暮らしの場合は、自分以外に稼ぎ手がいるわけではありませんので、何かやりたいことがあったときや、万一のときなどに貯蓄が頼りになる場面も多いでしょう。

年収が低ければ全員が貯蓄ゼロというわけではありませんし、年収が高ければ全員1000万円以上の貯蓄があるわけでもないので、すべては自分次第といえます。自分と同じ年代・年収の人のデータを見て、今後のマネープランの参考にしてみてください。

文:西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)

出版社に勤務し、編集・マーケティングに携わった後、フリーライターとして独立。女性誌やビジネス誌などで、貯蓄法や子育てにかかるお金の貯め方などをテーマに取材し、原稿・コラム執筆などを行っている。

文=西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)