ワークポート3月15日、「パワーハラスメント」の現状に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は2月21日~28日、全国の20代~40代の男女ビジネスパーソン508人を対象に、インターネットで実施した。

  • 現在の勤務先(または直近の勤務先)で、パワハラを受けたことがありますか

現在の勤務先(または直近の勤務先)で、パワハラを受けたことがあるか聞いたところ、65.2%が「受けたことがある」と回答した。

パワハラを受けたことがあると回答した人に、具体的にどんなパワハラを受けたか聞いたところ、「暴言・侮辱(言葉の攻撃)」(76.1%)が最も多く、「能力を過小評価する・成果を認めない」(43.2%)、「過剰な業務・過酷な業務を強制する」(42.0%)と続いた。証拠に残らない陰湿なパワハラが多い傾向にある。

  • 具体的にどんなパワハラを受けましたか

パワハラを受けたときにどうしたか聞くと、「転職・退職を考えた(転職・退職をした)」(70.1%)が最も多く、「誰にも相談せず我慢した」(36.3%)が続いた。「上司に相談」は24.2%、「職場の相談窓口(部署)に相談」は13.6%と、前回と同様で職場に頼れる人が少ないという結果も出ている。

  • パワハラを受けたときにどうしたか

パワハラを受けたことはないと回答した人に、パワハラを見たり聞いたりしたことはあるか聞いたところ、43.5%が「見聞きしたことがある」と回答した。

現在の勤務先(または直近の勤務先)で、パワハラ防止に関する取り組みが行われているか聞いたところ、47.4%が「はい」と回答した。前回調査と比較すると12.4ポイント上昇している。

  • 現在の勤務先(または直近の勤務先)で、パワハラ防止に関する取り組みが行われているか

具体的な取り組みは、「相談窓口の設置」(81.7%)が最多で、「社内研修の実施」(59.3%)と続いた。その他、「e-learning・アンガーマネジメント」「トイレにパワハラ/セクハラに関する案内の張り紙設置」「加害者側への指導、被害者側へのヒアリング」などが挙がっている。

直近の職場はパワハラ防止に取り組んでいると回答した人に、取り組みにどの程度満足しているか聞いたところ、61.0%が「まったく満足していない」「あまり満足していない」と答えた。この約1年で実施率は12.4ポイント上昇したものの、6割以上がその取り組みに不満を抱えていることがわかった。

  • 職場のパワハラ防止の取り組みには満足しているか

取り組みに満足していない理由は、「理解度調査・事実調査がなく、形骸化しているから」「形式的に窓口を設置しただけで、機能していないから」など、取り組みに実効性がないとする意見が大半を占めた。「研修を行っている上司がパワハラしていたから」「通報で不利になる可能性が高いから」など、活用することでかえって状況が悪化するリスクを感じている人も多かった。

直近の職場はパワハラ防止に取り組んでいないと回答した人に、取り組みの実施を希望するか聞いたところ、74.9%が「希望する」と回答した。具体的には、「産業医等第三者による定期面談」「すべてを打ち明けられる相談窓口の開設」など、第三者へ相談できる仕組みを求める意見が多数挙がった。

中小企業のパワハラ防止措置義務化でパワハラが改善されたと思うか聞いたところ、「変わらない」(47.2%)が約半数を占めた。34.2%は「あまり改善されていない」「まったく改善されていない」と答えている。

  • 中小企業のパワハラ防止措置義務化でパワハラが改善されたと思うか